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昭和31年、給料日に消える父の秘密

昭和31年、給料日に消える父の秘密

夕暮れの町工場 完結 42

「お父さん、どうして給料日だけ帰ってこないの?」 昭和31年、父は毎月その日だけ、夜遅くまで姿を消した。 酒も飲まず、賭け事もしない父だった。 それでも理由を聞けば、「男にはいろいろある」と口を閉ざした。 やがて父の腕時計が消えた。 次は冬のコート、その次は革鞄と大工道具だった。 不安になった母は、父が別の女性と会っているのではないかと疑い始めた。 ある給料日、中学1年の私は工場を出た父をこっそり追いかけた。 父が入ったのは酒場でも、女性の家でもなかった。 古い時計や工具が並ぶ、一軒の古物商だった。 15分後、父は持っていた包みを失い、代わりに数枚の紙幣を財布へ入れて出てきた。 その夜、母に問い詰められた父は、いつもと同じ厚さの給料袋を黙ってちゃぶ台へ置いた。

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