"昭和51年、帰宅目前で消えた25歳女性社員" 第5話
提された「方者捜索願」の用。氏名、川島みち子。、昭26415。155センチ、肉背、黒のハーフコート着用。
震えるでペンをらせる清治の隣で、静枝はハンカチを固く握りしめ、溢れる涙を堪えることができなかった。
そのの午、川島を1台の捜査両が訪れた。からりてきたのは、川崎署刑事課の佐々警部補(43歳)だった。擦り切れたトレンチコートを羽織り、鋭い観察を宿したベテラン刑事だった。
「川島さんの部を拝見させていただきます」
佐々はみち子の部に入ると、机のの類、本棚、ゴミ箱のまで徹底に線をらせた。
「突発なの兆候は……切見当たりませんね。通帳も印鑑も、着替えもすべて付かずのままだ」
佐々は帳をき、鉛をらせながら両親に向き直った。
「お母さん、最に娘さんと話したのは曜の何頃ですか」
「お昼過ぎの13頃です。『会社のみ会で遅くなる』と……。声は普段と何も変わらず、元気そうでした」
「分かりました。至急、会社の関係者、そして当夜の取りの洗に入ります。全力を尽くします」
佐々刑事の々しい言葉に、両親はすがるようにくをげた。
翌朝、佐々刑事と若刑事の2名は、精の応接にを踏み入れていた。
呼びされた経理課の田は、落ち着かない様子で額の汗をハンカチで拭いながら、黒縁鏡の位置を何度も直していた。
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「川島君が……方? 本当ですか、刑事さん」
「ええ。曜の夜、あなたの音でかれたみ会のから取りが途絶えています。当の状況を詳細に話してください」
佐々が鋭い線で射抜くと、田は喉を鳴らしながら証言を始めた。
「次会は駅の衆割烹、次会はスナック『カトレア』です。をたのは2330分頃でした。駅のタクシー乗りまで全員でき、そこで解散しました。川島君はでタクシーに乗り込みましたよ。私は見送った側です」
「彼女の様子に何か変わった点はありませんでしたか?」
「いえ……お酒はくない子でしたから、し疲れた顔はしていましたが、取り乱した様子も、誰かと論になった様子もありませんでした。至って普通でしたよ」
続いて、同席していた社員たちへの個別聴取がわれた。証言はほぼ致していたが、ただ、佐藤の証言だけが異なる具体性を持っていた。
佐藤は青い顔をして、悔を滲ませながら絞りすように語った。
「僕……川島さんを引き留めたんです。『途まで方向が同じだから、緒にタクシーで帰ろう』って。でも、彼女は『で静かに帰りたいから』と断って……。あの、僕がもっと引にでもに乗せていれば、こんなことにはならなかったんじゃないかって……」
佐々刑事は佐藤の表をじっと見つめた、帳を閉じた。
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「まずは、彼女が乗ったタクシーを特定する」
警察の総力を挙げたタクシー会社の運記録の洗が始まった。昭51当、両にGPSなど搭載されているはずもない。刑事たちは川崎内のタクシー会社を社社回り、夜に川崎駅で乗客を乗せた報を作業で枚ずつめくっていった。
捜査始から3目、ついに該当する個タクシーの運転・松本(61歳)が特定された。
「ああ、よく覚えてるよ」
松本は取調で煙を燻らせながら、確信を持って証言した。
「駅の乗りから乗せた若いお嬢さんだ。黒いコートを着て、柄でね。き先を『〇〇町の町のまで』と、はっきりした調で言ったよ。内では終始静かにを眺めていた。が空いてたから、15分かそこらで着いたな。メーターは1,200円。お釣りがないよう銭でキッチリ払ってくれてね、『夜遅くにありがとうございました』って、丁寧にをげてりていったよ」
「りた所は正確にどこですか」
「あそこの角だよ。彼女の自宅がある造アパートのの、灯が1本ってる柱の脇だ。をりた、彼女がアパートの方角へ歩きすのをバックミラーで確認してから、俺は次の客を探しに駅へ戻ったんだ」
松本の証言により、決定な事実が浮かびがった。
川島みち子は、自宅の目との先まで違いなくきて辿り着いていた。
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