みかん小説
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"空の米びつと一合の嘘" 第18話

で量る

の暮れ、しい配所が町の別の通りに設けられた。々は配帳を抱え、以と同じように列を作った。ただつ違うのは、受け取るに米を量り、受け取ったにも希望者が確認できる仕組みが加わったことだった。千枝たちが町内で求め続け、取扱所側も協議のうえで始めた試みだった。米は相変わらず分ではない。しかし、りなければそのでの事実をき残すことになった。

初、勇は伝いとして呼ばれた。母ので使っていた古い枡を持っていこうとすると、フミが止めた。「それはうちのの枡や」。勇は「皆ので見てもろうて、違うたら直してもらう」と答えた。フミはしばらく考え、枡を布に包んで渡した。「うちが様に疑われるようになった具や。今度は様に確かめてもらい」。

最初に並んだ老が袋を差しし、取扱所の係員が米を量った。勇はの枡との枡を並べ、刻みの位置を確かめた。がすり減り、底の角にし膨らみがあることに気づく。正確な確認には別の基準となる器具も必だった。係員はそので測り方を調し、誰にも見える所へきした。米粒がの縁からこぼれるたび、ろのがじっと見守った。

千枝はを連れてきた。「お母ちゃん、今はりるん?」とが聞く。

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千枝は「りるかどうか、ちゃんと見てから受け取るんや」と答えた。彼女は米を量り直し、納得してから印を押した。以なら周囲の目が気になり、度も量ってほしいなどと言えなかっただろう。今はろのも同じように確かめていた。量がっていれば「うてます」と声をし、もしわなければそので係員が記録を訂正した。最初はぎこちなかった列にも、しずつ順がまれていった。最に袋のを結ぶ、隣にいた女が「こんなにかけたら列がなる」と満をにした。千枝は「うなってもええ。あとで喧嘩するよりましや」と笑った。ろの何かがうなずいた。

そのの午、役所の担当者が勇へ言った。「来から別の区でも同じ方法を考えている」。勇は嬉しくなったが、すぐにはび切れなかった。りない米を正直にりないといても、それだけではべる量は増えない。仕組みが正しければ飢えがなくなるわけでもない。だがなくとも誰かが勝にを隠し、々に分受け取ったふりをさせることは減らせる。そのわずかな違いが、勇には切だった。

夕方、フミが列の終わりに来た。の主ではなく、配を受け取るの民としてだった。彼女は帳面と袋を差しし、決められた量が入るのを待った。

係員が枡を持ちげると、フミは自然に袋へを添えかけた。しかし途でを引いた。量るのは自分ではない。今は受け取る側だ。確認を終えて印を押すと、胸の奥からい息が漏れた。

帰り、フミは千枝に会った。「今、初めて客ので米を量ってもらいました」と言った。千枝は笑わなかった。「毎回、ああやって確かめられるならええんですけどね」。フミはうなずいた。「あの、最初にない言うてもろたに、私はで量り直すべきやった」。千枝は袋を抱え直し、「今さら戻らへんもある」と答えた。責める声ではなかった。それでもフミは、その言葉をく覚えておこうとった。

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