みかん小説
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"こぼされた定食の代償" 第7話

窓際の取引との裏切り

「これでもまだ、言いがかりだと主張するのかね?」

史の静かな問いかけに、神崎はを見つめたまま言も返せなくなっていた。

だが、ミキは違った。

この期に及んでもなお、脂汗をびっしりと額に浮かべながら、必に言い訳を探して目を血らせていた。

「わ、私がやったんじゃないわ! 全部、神崎さんに唆されたのよ! 『堂のババアを懲らしめてやる』って言われて、無理やり連れてかれただけ! 私は被害者よ!」

「おい、ミキ! お、何言ってんだよ!」

神崎が裏切られたショックで声を裏返した。

「おが『あのババアに恥をかかされたから絶対に許せない、ゴミでも撒いてやろう』って言いしたんだろうが!」

「うるさい! 男のくせに女のせいにするんじゃないわよ! 最!」

醜い責任の擦り付けいを始めたを、周囲の社員たちはたい目で見つめていた。

史がため息をつき、堂の奥にある窓際のボックス席を指差した。

「みっともない騒ぎはそこまでだ。般社員の昼休みの邪魔になる。……そっちの席へ移しなさい。君たちを懲戒解雇にする理由は、器物損壊や迷惑為だけではないんだからね」

「え……?」

神崎が顔をげた。

器物損壊と業務妨害だけでも分すぎるほどい処分がるはずなのに、まだ別の理由があるというのか。

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は引きずられるような取りで窓際の席へ向かった。

私はエプロンをし、厨の歩ちゃんたちに「し抜けるね」と声をかけてから、史の隣に腰をろした。

向かい側に座った神崎とミキは、もはや先ほどまでの尊な態度は見るもなく、縮こまってさくなっていた。

「……専務、別の理由って、体何なんですか」

神崎がおずおずと尋ねた。

史は腕を組み、ややかな線をに向けた。

「報漏洩だよ」

その単語がた瞬、神崎の肩がビクッとねがった。対照に、ミキは「えっ、何のこと?」とわざとらしく首を傾げてみせた。

「じょ、報漏洩……? 何ですかそれ。私には全然関係ありませんけど」

「とぼけるんじゃないよ、宮君」

史がタブレットの画面を操作し、枚のアクセスログの表を表示させた。

「先週から、社内の管理サーバーに対して正なアクセスが繰り返されていた。資料の旧端末から、顧客の取引履歴と製品の設計データが、部のオンラインストレージへ送信されていたんだ。……その端末にログインした社員IDは、神崎優、君のものだ」

「ひっ……!」

神崎は両でを抱え、ガタガタと震え始めた。

「ち、違うんです……! 俺は、俺はただ……!」

「いいや、違わないわ」

私は神崎の目をまっすぐに見つめてをいた。

「神崎さん、あなた数、堂で器を割ったあと、ミキさんに声で話していたわよね。

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『転職活の実績に傷がついたら困る』って」

神崎の顔から、完全に血の気が引いた。

「あなたは営業部でトップだなんだと威張っていたけれど、実際にはした実績もせていなくて、社への転職を焦っていた。だから、うちの会社の密データを産にして、次の会社で利なポジションをに入れようとしたんじゃないかしら?」

「そ、それは……」

「図ね。でも、あなたでそんなそれたことをいつくはずがないわ。……宮さん、あなた資料ので私とぶつかった、ひどく慌てて類を抱え込んでいたわよね」

私が話を向けると、ミキは途端に甲い声で叫んだ。

「何よ! 私は何もらないって言ってるでしょ! 神崎さんが勝にやったことじゃない! 私を巻き込まないでよ!」

「巻き込まないで、か」

史が皮肉な笑みを浮かべた。

「では聞くが、君が社の——商社・クラタ物産の営業課である笹原(ささはらだいき)と頻繁に密会し、ホテルのラウンジで何を話していたのか、説してもらおうか」

「……っ!!」

ミキの喉から、息を呑む乾いた音が響いた。

その名がた瞬、ミキの顔は青を通り越して、気へと変わっていった。

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