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"認知症の父を「逮捕しろ」と叫ぶ姑――孫の一言で形勢逆転" 第4話

がり込む姑と夜の劇

「ここまでゆっくり歩いて分。ちょうどいい散歩コースだよ!」

鍵のいていた玄関から、ドカドカと慮のない音を響かせて姑が入ってきました。 勝ったる様子でリビングを通り抜け、台所につ私の背へ回り込んできます。

「今の夕飯は何のごちそうかねえ?」 そう言いながら、棚の引きしや蔵庫を勝にけて物し始めました。

「……あ、お母さん。今は子どもたちの好きなカレーにしようかといまして」 「ふーん、相変わらずありきたりで抜きねえ」

く帰ってほしいという私の祈りも虚しく、姑はダイニングチェアにどっかりと腰をろしました。 「あの、お母さん。も暗くなってきましたし、そろそろ……」 「よし、仕方ないね! 今はそのカレーでしてやるよ!」

(えっ……べていく気なの……?) 姑は義父が界した、次男である義弟夫婦と同居していました。 義妹の恭子(きょうこ)さんもフルタイムで働いているため、平の夕方はを空けているはずです。

「今は息子たちがするっていうからね。たまには夫婦入らずで過ごさせてやらないと」 自分の息子夫婦には至れり尽くせりの気遣いを見せるくせに、夫をくしたばかりの私のには平然と居座るのです。 結局、姑は盛りのカレーを綺麗に平らげると、「お腹いっぱいでけないからまでで送っておくれ」

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とまで言いしました。

そのから、姑の「夕飯タダい」はに度のペースで繰り返されるようになりました。 そんな姑の姿を見るたび、亮太はややかな目を向け、無言で部をていくようになりました。 「誰に似たのか、本当にげのない子だよ!」と姑は悪態をつきましたが、亮太は完全に聞こえないふりをしていました。

方、父の症状はしずつしていました。 方にむ実兄に話で相談したものの、「なら援助できるが、面倒を見るのは絶対に無理だからおに任せる」と、まるで事のようなたい返事でした。

(もう、私が引き取るしかない) 実をれたがらない父を何度も説得し、ついにがへ迎え入れて同居介護を始めることになりました。 昼はデイサービスを利用し、夜と休は私がる。 パートの仕事と子育て、そして父の介護。 さらに、相変わらず「夕飯を届けろ」と求してくる姑の相まで加わり、私の毎は獄のような過密スケジュールへと突入していきました。

朝に起きて弁当を作り、夜過ぎにようやくのように布団に倒れ込む。 誰にも頼れず、音も吐けない極限の疲労が、確実に私のを蝕んでいました。

そして、とうとう恐れていた事態が起きてしまったのです。

夜、疲れ果てて呂からがった私が廊を通りかかったときでした。

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トイレのドアので、父がパジャマのまま、所なげにち尽くしていました。 元には、にわなかった汚物が広がっていました。

「……お父さん! 何やってるのよ!」 張り詰めていた糸が、プツリと音をてて切れました。

「なんでこんなところでしちゃうの!? 歳の音だってでけるのに! どうしてできないのよ!」 夜の廊に、私の切り声が響き渡りました。

さく肩をすくめ、申し訳なさそうにうつむく父の髪混じりの。 着替えさせ、汚れを拭き取りながらも、私の苛ちは収まりませんでした。 布団に入った、自分の放った残酷な言葉の数々が胸をえぐり、涙が止まらなくなりました。

(どうしてあんな言い方をしてしまったんだろう……番辛いのは、わけが分からなくなっているお父さん自なのに……)

悔に苛まれながら、いつのにか浅い眠りに落ちていた私は、ふと嫌な予で目を覚ましました。 隣の部を覗くと、かりので父の布団がもぬけの殻になっていたのです。

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