"十年介護を捨てた日" 第8話
カーテンをけ、の景を眺める。しいの始まりを、自分のために迎えられるびを噛みしめる。
週2回の母親学級では、助産師としての経験を活かして若い母親たちの相談に乗る。赤ちゃんを抱き、夜泣きの対応や授乳のアドバイスをするたび、が満たされる。かつて無料の介護士として踏みにじられた々は、今では謝と笑顔に変わった。
域の敬老会で表彰を受けた、会の温かい拍に胸がくなる。自分のが、の期待ではなく、自分の努力と選択で輝いていることを実した。18万円のと800万円の貯があるため、経済にもして活できる。おの配から解放され、自分のためにを使える幸せをじた。
しい趣として社交ダンスを始めた。インストラクターから「井さん、姿勢がいいですね」と褒められる。鏡に映る自分の姿は、ききとして、笑顔が輝いている。70歳い男性に価値を否定され続けた々とは、の差だ。
スーパーで偶然、勝の元同僚に会う。勝が介護で倒れ、活保護を受け、義母もくなり、も売却されたことを聞かされる。因果応報を実しつつも、私はただ静かに頷く。もう、勝は私のに関係ない。憎しみも同もだ。
夜、ベッドに横たわる。窓のにはが輝き、内は静寂に包まれている。
私は呼吸し、ゆっくり目を閉じる。自由を取り戻したこの々が、私にとっての本当の幸福だ。10の耐え難い苦労は、今や私のをより輝かせるための試練であったと、静かに噛み締める。
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