みかん小説
本棚

"銀の指輪の応募者" 第21話

それから、1という、輝く素らしいが流れた。

あの病院の廊で互いを抱きしめい、血の涙を流して泣きしたあの以来、、いや川の族には、奇跡のような美しい変化が、1つ、また1つと訪れていた。

最初に美しいを取り戻したのは、嫁のミサキだった。

義母となったふみ子が、建設の総力を挙げて国内最権威の医療チームを員し、全面な支援をったおかげで、ミサキは無事に腎臓の移植術を成功させた。分な回復期、ふみ子は毎忙しい仕事のを縫って病院を訪れ、ミサキのを優しく握り締め、実の娘のように温かく励まし続けた。

退院する、ミサキは義母のを固く握りしめ、美しい目に粒の涙を浮かべて言った。

「お母様……私のような施設の嫁に、ここまで尽くしてくださって、本当に……本当にありがとうございます。、このご恩は忘れません」

ふみ子は、嫁の青かった頬に、健康な美しい赤みが戻ったのを見て、から優しく微笑んだ。

「お礼なんていらないわよ、ミサキさん。あなたがきて、健康でいてくれることこそが、にとって最の幸福であり、夫への何よりの向けなのだから」

それは、25「鉄の女」と呼ばれ、切表にさなかった川ふみ子が、族ので初めて見せた、仮面のない、本物の母親の笑顔だった。

広告

ユトにも、輝かしいしい始まりが訪れていた。

遺伝子検査の結果が社内にれ渡り、ユトが建設会の実の息子であり、正当な継者であるという事実が業界を震撼させたが、ユトはいかなる特別扱いも、毅然とした態度で断固として拒否した。

「会の息子という親のりの肩きで入社すれば、自分が現で血を流し、徹夜で描きげたあの図面の価値が、完全に褪せてしまう。俺は、実力で証したいんだ」

ユトは、面接に提した、まさにあの「」の設計図の純粋な評価だけで、建設の公コンペに般の応募者として堂々と自力で入社した。入社、ユトは自分の建築哲学を証するチャンスを、静かに待ち続けた。

そして、その会は、ったよりもく訪れた。

建設が主催した、規模な『次世代庶民宅革コンペ』。ユトは、かつて自分がどん底の貧困ので暮らした経験を元に、社会から孤し、苦しんでいる所得者層の々のための、『制共アパート』の革な設計案を提したのだ。

が自然に建物内を通り抜ける先な自然換気構造と、々の活に疲れた誰もが、おがなくても気軽に入ってきて楽に休める、域にかれた広い「縁側・共用空」がその設計の核だった。

それは、25に、彼の父と母が、貧しい建築学代に見て描いた、まさにあの設計哲学そのものだった。

広告

父親が命をかけて守り抜いた息子が、父親の遺した美しいを、自らの才能とで、ついにこの世へと送りしたのだ。

審査の結果、ユトの設計案は、並み居るエリート建築たちを抑え、圧倒な1位を獲得した。その革なデザインと主義は社会から巨な注目を集め、建築専誌でも『のごとく現れた、才建築の誕』として、ユトの名が何ページにもわたってに取りげられた。

そのも、ユトは昼夜を問わぬ努力と、な建築の才能で、会社の型プロジェクトを次々と成功へと導いていった。親のコネではなく、圧倒な実力だけで結果をし続けるユトの雄姿に、最初は「どうせ会の息子だから」と疑いの目を向けていた役職員たちも、1、また1と彼に畏敬のを抱き、今や誰もがからの尊敬のを示すようになっていた。ユトは、凄まじいスピードで自らの実力で昇ねていった。

そして、ある穏やかな週末の夜だった。

港区にある、ふみ子の広くて温かい邸宅に、久しぶりに族全員が集まっていた。25たく空っぽだったこの巨卓に、ついに、本物のの温もりが満ち溢れていた。

キッチンでは、嫁のミサキが、義母のためにを込めて作った、ばしい噌汁がグツグツとよい音をてて煮っていた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: