"十年目の地下街" 第3話
主の田にも再び話を聞いた。田は真面目そうな男性で、ゲームセンターを始めて3目だった。所での評判も悪くなかった。
「その、6頃に実君以のお客さんはいましたか」
が尋ねると、田は記憶をたどるように目を細めた。
「5半頃に学みたいな若者が何かいましたけど、6にはみんな帰りましたね」
「実君がてくは1でしたか」
「ええ、1だったといます」
警察は周辺を徹底に調べた。だが、特別ながかりは見つからなかった。ただ、ゲームセンターから100mほどれた端で、実の鉛が見つかった。名がいてあったため、本のものに違いなかった。
はそれを良子に見せた。
「もしかすると、実君はここを通って帰る途、誰かに会ったのかもしれません」
その言葉に、良子の顔は青ざめた。
警察は町全体を捜索した。事現、空き、ビルの裏、川沿いまで調べた。所の民も自主に捜索に加わった。
しかし、3が過ぎても実の痕跡は見つからなかった。
1週が過ぎると、聞に「12歳学、謎の失踪」というさな記事が載った。だが、力な報は寄せられなかった。
1かが過ぎると、警察の員はしずつ減っていった。の事件に追われる現実があった。良子と哲也は、自分たちでくしかなかった。
「私たちが探さないと」
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夫婦は貯を使い、ビラを作った。実の写真と「息子を探しています」という文字を入れ、京の駅や商に貼って回った。
「この子を見かけませんでしたか」
良子は通に何度も尋ねた。
しかし、ほとんどのは首を横に振るだけだった。同の目を向けるはいた。けれど、それだけでは息子は見つからなかった。
半が過ぎると、全国から報が入り始めた。
阪で似た子を見た。
名古のでそれらしいがいた。
夫婦は何度も現へ向かった。だが、すべて徒労に終わった。
「本当に、うちの子でしょうか」
良子が震える声で尋ねるたび、返ってくる答えは同じだった。
「いいえ。別の子です」
1が過ぎると、周囲は諦めるように言い始めた。
「良子さん、もうやめなさいよ。体を壊すだけよ」
それでも良子は諦めなかった。子どもがきていると信じる限り、母親に諦めることなどできなかった。
方で、哲也はしずつ壊れていった。から帰ると焼酎をみ、眠るだけのが増えた。には酔って良子に鳴ることもあった。
「もうやめろ。実はんだんだ」
そのたび、良子は声を殺して泣いた。夫の苦しみも分かっていた。けれど、どうしても諦めることはできなかった。
2目、横浜のゲームセンター経営者から報が入った。
「違いなく見ました。あの子がうちのに来ました」
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期は失踪から3かだったという。
「でも、の男と緒でした。ゲームもせず、すぐにていきました」
男は30代半くらいで、スーツを着ていた。
良子の臓が激しく鳴った。
ついにがかりが見つかった。
しかし、男の顔ちものナンバーも分からなかった。警察は横浜周辺を調べたが、すでにが経ちすぎていた。
3が過ぎ、事件は未解決のままになった。
5目、哲也は婚を切りした。
「しいを始めたい。実がいないを受け入れたい」
良子は拒んだ。
「実が帰ってきた、お父さんがいなかったらどうするの」
しかし、哲也のはすでにれていた。婚調の末、良子は1になった。
7、8とが過ぎた。体は10kg以落ち、髪は半分以くなった。それでも、良子の志だけは枯れなかった。
そして1995の。
10待ち続けた再会が、突然訪れようとしていた。
19951012、曜。
良子は友の順子と緒に、座のへ物のを見に来ていた。52歳になった良子は、10とは別のようになっていた。刻まれたしわ、くなった髪、何よりもく沈んだ瞳が、いのさを物語っていた。
「良子さん、このコート、似いそうじゃない」
順子が茶のコートをに取って声をかけた。
良子はぼんやりと頷いた。
「ああ、ええ。素敵ね」
けれど、彼女の目はではなく、周囲の々を見ていた。
10、良子は癖のようにの顔を探すようになっていた。駅でも、商でも、のでも、若い男性を見るたびに胸が反応した。
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