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十年目の地下街

十年目の地下街

大井町の良子さん 完結 1

1985年、東京・品川区。 「ゲーセン行ってくる」 そう言って家を出た12歳の息子・実は、その日を境に忽然と姿を消した。 ゲームセンターを出たのは午後6時頃。家までは歩いて10分もかからない距離だった。だが、実は帰ってこなかった。母・良子は警察に届け出を出し、ビラを配り、全国から寄せられる目撃情報を追い続けた。 しかし、どれも空振りに終わる。 1年、3年、5年――。夫婦関係は壊れ、周囲も諦める中、良子だけは息子の生存を信じ続けた。 そして失踪から10年後の1995年。 銀座の地下街で、良子は床に座る若い物乞いの男に目を奪われる。痩せ細った顔、怯えた瞳、そして失われた足。 その男は、10年前に消えた息子・実だった。 「お母さん……今、監視されてる」 再会の喜びも束の間、実の口から告げられた言葉が、10年間隠されていた恐ろしい真相への扉を開いていく――。

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