"甘い部屋の72時間" 第4話
「病気か、怪か……それとも」
えみ子は言葉を続けられませんでした。
最に咲から届いたメッセージは、828でした。
「お母さん、私は丈夫。もうしだけ待ってて」
えみ子はその文章を何度も読み返しました。
「もうし待っててって……あなた、何を待っていたのよ」
その夜、えみ子は再び娘のを訪れました。
2階のドアをけると、まだあの甘いりが残っていました。
リビングのテーブルには、消臭剤、芳剤、アロマキャンドルが自然なほどく並んでいました。
えみ子はその1つをに取りました。
ディフューザーのラベルを見ると、購入が記されていました。
202295。
咲が倒れて発見される、わずか4でした。
の製品も確認しました。ほとんどが8末から9初めに購入されたものでした。
えみ子はそのに座り込みました。
「啓介さん、あなたの説では辻褄がわない」
りを好きだったという説。
匂いに気づかなかったという言葉。
えみ子は何度も反芻しましたが、到底納得できませんでした。
娘の部で、えみ子はもう1枚のメモを見つけました。
最初のメモのに、隠すように挟まれていました。
「私、本当に怖い。でも、私を捨てないで」
えみ子は目を閉じました。
怖い。
捨てないで。
咲は何を怖がっていたのか。
そして、誰に捨てられると怯えていたのか。
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その、えみ子ので1つの仮説が形を持ち始めました。
交通事故によって運転の自由を失った咲は、しずつへる力を奪われたのではないか。
体調良を理由に、と会う会を減らされていったのではないか。
そして、そのすべてのに、夫である啓介がいたのではないか。
確信はありません。
けれど、疑わずにはいられませんでした。
20229旬、えみ子は病院のカルテの示を求めました。
救急隊員の現報告、救急救命の医師の所見、搬送の記録。1つずつ読みめるえみ子のは震えていました。
そして、ある文で目が止まりました。
「部肋骨に部損傷の痕跡を確認」
えみ子は夫を呼びました。
「あなた、これを見て」
夫が記録を読み、眉をひそめました。
「肋骨が折れている」
「救命措置のせいかもしれないって。でも……」
えみ子は言葉を続けられませんでした。
、担当医に尋ねました。
「先、娘の肋骨の損傷についてお伺いしたいのですが」
医師は慎に答えました。
「肺蘇をう過程で、肋骨が損傷することは珍しくありません」
「では、これは救命措置によるものだと?」
「その能性がいでしょう。ただ……」
医師はそこで言葉を切りました。
「ただ、何でしょうか」
「損傷している位置が、通常の臓マッサージで圧迫する所とはしずれています。
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医学に断定はできませんが、部から何らかの力が加わった能性も完全には否定できません」
えみ子は息をのみました。
さらに医師は続けました。
「患者さんの状態から見て、自力でけなくなったのがいつからか正確に特定することは困難です。ですが推定では、なくとも2から3にはきが取れない状態だった能性があります」
えみ子はカレンダーを取りしました。
99、発見された。
医師の推定通りなら、咲がけなくなったのは96か7頃。
決定な72。
その、啓介は何をしていたのか。
96、啓介はいつも通り勤していました。夜には同僚たちとのみ会に参加し、SNSに写真まで投稿していました。
97、午10頃、スーパーで買い物をしています。、牛乳、パン、カップラーメン。簡単な料品のレシートが残っていました。
98、啓介は会社を休んでいました。この、彼の記録はほとんどありません。ただ、午2頃にコンビニで買い物をした履歴がありました。
消臭剤2個。
芳剤3個。
えみ子はレシートを握りしめました。
この、啓介は何かをっていたのではないか。
99、午752分。啓介はえみ子に話をかけました。
「お母さん、咲が倒れました」
その11分、午83分に119番通報。
えみ子は救急隊員の現報告を読み返しました。
「患者はリビングの1掛けソファーに座った状態で発見。首まで布団がかけられていた。周囲に数の消臭剤、芳剤を確認。
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