"盗まれた120頁" 第7話
しかし誠の論文を自分の実績として発表したことで、は変しました。
2005現、34歳になった彼は、京・港区の豪華なオフィスを構えるIT企業の代表取締役になっていました。商50億円を超える企業の経営者。経済誌の表を飾るほどの成功者です。
だが、その成功の台には、1の青から奪った研究と命がありました。
警察は10の証拠品のから、誠の実験ノートを再び取りしました。最の1ページが引きちぎられた青いノートです。
静気検装置でのページに残る圧を浮かびがらせると、そこには文字が現れました。
「215午815分 講堂裏の駐 優太先輩と」
誠は卒業式の直、優太と直接会い、盗作の事実を問い詰めるつもりだったのです。
事件夜、誠は公衆話から両親に「が変わる」と告げた直、別の番号へ連絡を入れていました。
論文の原本データを学の倫理委員会へ提する。
それが優太への最通告でした。
翌朝、1995215午815分。
誠は真しい黒いスーツを着て、講堂裏の駐にっていました。両親が農作業で荒れたで仕ててくれた、5万円のスーツでした。
吐息がくなるたい空気の、1台の黒いセダンがづいてきました。
運転席の窓がき、優太が顔をしました。
「委員会のに、しだけ話をさせてくれ。
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すべて説するから、に乗ってほしい」
誠は、教授の息子であり、同じ研究にいた優太をまだ完全には疑いきれなかったのでしょう。胸には論文データの入ったフロッピーディスクを抱えていました。
のドアが閉まるい音。
それが、誠がこの世界に残した最の音になりました。
再解析された古い交通カメラの映像には、午840分、学の敷をる黒いセダンが映っていました。は都をれ、へ向かって加速していきます。
き先は、卒業式の会ではありませんでした。
奥摩の。バブル崩壊で建設が止されたまま放置された、巨なコンクリートの廃墟でした。
午10。
講堂で両親が空のガウンに触れていた頃、その黒いのエンジンは、すでにい森ので止まっていました。
優太は、誠を説得しようとしました。
「論文の件は諦めてくれ。僕のが終わってしまう」
しかし誠は拒絶しました。
120ページの論文は、彼が血のにじむ努力できげた結晶でした。両親に恩返しをするための、唯の証でした。譲ることなどできませんでした。
激しい論の末、たい奥のコンクリートので、決定な撃が振りろされました。
事現から持ちされたさ80cm、さ3kgの太い材。
その鈍い音は、誰のにも届くことなく、のに吸い込まれていきました。
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2005412。
教授の証言と科学捜査の結果により、優太に逮捕状がました。容疑は殺と体遺棄でした。
港区の最級オフィスタワー。30階の社に、捜査員たちが踏み込みました。
イタリア製の級スーツにを包み、数百万円の子にく腰かけていた優太は、最初、謝罪ではなくこう言いました。
「証拠はあるんですか。私はIT企業の代表ですよ」
その傲な言葉は、10逃げ切ったとい込んでいた男の本音でした。
けれど、警察は焦りませんでした。
最の証は、すでに警察側にいました。
彼の父親である教授です。
そして、もう1つ。
彼を絶対に逃さないための物理な証拠が、奥摩の森の奥に眠っていました。
2005413午6。
警察の捜査員30名と2台の型ショベルカーが、奥摩の廃墟へ入りました。
現は、放置された巨なエレベーターホールの底でした。優太は誠の遺体をそこへ投げ込み、から量のコンクリートを流し込んでいたのです。
そのの蓋は、さ1.5mにも及びました。
ドリルが唸り、コンクリートのがいがります。のが周囲の枯れをく染めました。
午1015分。
ドリルの先端がい層を抜け、湿ったへ到達しました。が止まり、森のに気な静寂が戻りました。
そこからは、鑑識の捜査員がさなスコップと刷毛で慎にを取り除きました。
へ掘りめた、1の捜査員のが止まりました。
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