みかん小説
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"十六年目の雪足跡" 第4話

彩佳を探すため、の周りを歩いた形跡もあった。

岸田子の跡は、自宅と森の敷境界付までの往復だけで、定の隔で残っていた。

そして彩佳の跡は、子のから自宅玄関へ向かってまっすぐ続いていた。靴の模様と歩幅から、本のものと確認された。

しかし、玄関のわずか数歩で、それは唐突に終わっていた。

で自然に消えた跡ではなかった。まるで途で切り取られたように、物理に途切れていた。

鑑識は翌、現へ入り、周囲のを採取した。分析の結果、の成分は農からの流入物を含むなもので、特別な異物は検されなかった。

跡が消えた点のからも、繊維、毛髪、化学物質などは見つからなかった。

気象データによれば、事件当の午9頃からは本格になり、翌朝3までり続いていた。もし跡がその数に作られていたなら、積によって輪郭が崩れているはずだった。

だが彩佳の跡は鮮に残っていた。

それは、彩佳が子の証言した帯に実際に歩いていたことを裏付けていた。

も調べられた。

玄関脇の棚には彩佳のバッグが置かれ、財布と鍵が入ったままだった。寝には充の携帯話があり、通話記録やメールに審なやり取りはなかった。

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机のには護学の教科と課題が広げられ、きかけのノートといたままの参考が残されていた。台所にはみかけのスープがあり、鍋や調理器具も片付けられていなかった。

のどこにも争った形跡はない。

具の配置も、物の位置も乱れていなかった。

部からの侵入を示す証拠はなく、本が自らくへた形跡もない。鍵が内側からかかっている以、第者が侵入して施錠し、ていくには特殊な方法か、内部事物の関与が必だった。

しかし、そのような物は確認されなかった。

捜査は聞き込みと現記録をめられたが、具体展はなかった。

事件から11、県内の別のにあるコンビニから報が寄せられた。

夜、若い女性がガソリンとコーヒーを購入し、何度も周囲を振り返っていたという。員はテレビで見た失踪者の顔に似ているとじ、通報した。

防犯カメラには、確かに背格好や髪型が彩佳に似た女性が映っていた。

だが、着ていたコートは紺で、顔もはっきり映っていなかった。員の記憶と映像にも違いがあり、この報は力ながかりとはならなかった。

そのも、似た女性を見たという通報は県内から相次いだ。

バスの乗客、の客、宿泊施設の利用者。

警察は確認にいたが、どれも本と断定できるものではなかった。

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が過ぎる頃、捜査のたな目撃報ではなく、過の記録や証言の再検証へ移っていた。

森彩佳の名は報からもしずつ減り、町のでも話題にされることはなくなっていった。

だが、恵だけは忘れなかった。

娘の部に残されたきかけのノートを見るたびに、はあの夜で止まったままだった。

20059、鹿児島県警からさつまの警察署へ異してきた黒田俊兵は、域業務をに担当することになった。

黒田は15、県本部や域で刑事として勤務してきた。殺盗、詐欺、窃盗まで、幅広い事件を経験している。今回の異は、穏やかな勤務を求めた本の希望でもあった。

だが着任してもなく、署内で保管されている未解決事件の資料に目を通した、森彩佳失踪事件のファイルが黒田の目を引いた。

ダンボール箱に詰められた証拠品。

な供述調

鑑識報告

写真。

資料はよく理されていた。担当した森本刑事の几帳面さが随所に表れていた。

しかし読みめるうち、黒田のに違が募っていった。

鍵のかかった

途切れた跡。

部侵入の痕跡なし。

これまでの経験から見ても、極めて異例の状況だった。

事件から2が経っているにもかかわらず、犯像やの推測がほとんどんでいないことも引っかかった。

黒田は業務のに資料を繰り返し読み、自分の系列を組みて直した。

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