2021年5月、東京のソフトウェア企業で開かれたオンライン会議。 社長の石川健二は、画面に映った1人の社員の顔を見て、思わず息を止めた。左頬の三日月型の痕、眉の上の細い傷跡。その顔は、25年前に仙台で忽然と姿を消した9歳の少年・高橋奏太とあまりにもよく似ていた。 1996年、学校帰りに消えた奏太。家族は町中を探し続けたが、手がかりは途絶え、やがて事件は未解決のまま時の中に埋もれていった。 しかし25年後、偶然のオンライン会議が止まっていた時間を動かす。 社員として静かに働いていた男は、本当に失踪した少年なのか。なぜ別の名前で生きていたのか。そして、彼の25年間を支配していた人物とは――。 画面越しの違和感から始まった、奇跡の再会と奪われた人生の真実。