"画面の中の失踪少年" 第9話
取り調べの段階で、鈴は最初から自分の罪を認めようとしなかった。
「私は子どもを守っただけだ」
「親よりも正しく育てられるとった」
「彼は私のもとで派に成した」
その言葉には、反省がなかった。むしろ自分の為を正当化するような響きがあった。
だが、証拠と奏太の証言は、その主張を完全に否定していた。
鈴がしたことは、保護ではない。
支配だった。
救済ではない。
1の子どものを奪う為だった。
法廷にった奏太は、最初、線をげられなかった。傍聴席には父の弘が座っていた。髪にはいものが増え、背もし丸くなっていたが、その目は息子を見つめていた。
母の由美は、介護施設の職員に付き添われ、子で法廷に来ていた。認症の症状がみ、によって記憶が揺らぐ彼女だったが、そのは奏太の顔をじっと見ていた。
奏太は証言台のでく息を吸った。
しばらく沈黙した、ゆっくりをいた。
「私は、忘れていませんでした」
その声はさかったが、法廷の隅まで届いた。
「母の声も、父の姿も、祖母が私を呼ぶ声も、全部覚えていました。でも25、それをにすることを許されませんでした」
法廷内は静まり返った。
奏太の声は震えていた。けれど、言葉は止まらなかった。
「本当の自分を隠してきることは、きていてもんでいるのと同じでした」
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その言葉に、傍聴席からすすり泣く声が漏れた。
弘は顔を伏せた。膝ので拳を握りしめ、肩を震わせていた。由美は子ので涙を流し、何度もさく頷いていた。
検察は、押収された資料を示した。偽造された分証、鈴と奏太の通信記録、送の履歴、過の児童に関する写真。そこには、にわたる計画な支配の痕跡があった。
鈴は最まで、自分は父親のつもりだったと言った。
だが、その言葉は誰のにも届かなかった。
判決の、法廷は異様な緊張に包まれていた。
裁判官は、鈴の為について、期にわたり被害者の自由と元を奪い、族から子どもを引きし、刻な精神被害を与えたと指摘した。複数の罪が認められ、鈴には事実、涯を刑務所で過ごすことになるい判決がされた。
判決文が読みげられる、奏太は静かにを見ていた。
弘はかなかった。
由美は職員に支えられながら、震える声でこう言った。
「あなたは私の子どもを奪いました。でも、魂までは奪えませんでした」
その声はかすかだった。けれど、法廷にいた誰もが聞いた。
弘は被害者陳述に、こう記していた。
「9000以、私たちは毎しずつんできました。けれど今、再びきることを学ばなければならないとっています」
それは、父としての25分の言葉だった。
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判決、奏太は法廷をた。廊の窓から差し込むが、彼の顔を照らしていた。頬の型の痕は、幼い頃と同じ所に残っている。
25は戻らない。
失われた代も、母が泣き続けた夜も、父が自分を責め続けた々も、祖母が孫を待ちながらくなった事実も、消えることはない。
それでも真実はらかになった。
奏太はようやく、自分の名を取り戻した。
判決がされた、奏太のはしい段階に入った。
戸籍の続きは慎にめられ、202211付で、彼は正式に奏太として記録された。25奪われていた本来の名が、ようやく公な記録のにも戻ったのだ。
しかし奏太は、仕事ではしばらく介という名を使い続けることを選んだ。
周囲は驚いた。なぜ偽りの名を残すのかと尋ねるもいた。
奏太は静かに答えた。
「介としてきたも、自分の部です」
その名は奪われたの象徴だった。だが同に、その名で学に通い、仕事を覚え、と関わり、社会のでき延びてきたのも事実だった。消したくても、完全に消すことはできなかった。
彼は2つの名を抱えてきるしかなかった。
族との再会は、単純なびだけではなかった。
母の由美は介護施設で暮らしていた。認症のによって、記憶はごとに揺れていた。
あるには奏太を見た瞬、涙を流してを伸ばした。
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