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"十六年目の雪足跡" 第5話

最初は単なる確認のつもりだったが、気づけば勤務にもファイルをき、証言や証拠のい違いをメモにまとめるようになっていた。

夜遅くまで署に残り、必があれば自宅にも資料を持ち帰った。休には現周辺を歩いた。

彩佳の

岸田子の

跡が途切れた所。

その位置関係を何度も確認した。

着任から1か、黒田は関係者への再聴取を始めた。

岸田子は当と同じ内容を繰り返した。彩佳は器を返し、い会話をして帰った。それ以のことは何もない。齢による記憶の揺らぎもほとんどじられず、話の筋は貫していた。

もまた、失踪当を詳細に語った。質問の角度を変えてもきな矛盾はず、黒田は彼が嘘をついている兆候を見つけられなかった。

森恵は、黒田の訪問に複雑な表を見せた。

これまで何もの刑事が事件に関わり、期待しては落胆することを繰り返してきたからだ。

それでも黒田が過の資料を細かく検証し、自ら現を歩いていることをると、しずつ協力するようになった。

恵は自分が集めた報や個なメモを黒田に見せた。町の々から聞いた細かな証言、図にき込んだの目撃報、病院関係者からの聞き取り。

黒田は自宅のを事実の捜査部に変えた。

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壁には現写真や図、関係者の名いたメモが貼られた。机のには系列表と分析資料が積みがっていった。

事はコンビニ弁当やが増え、規則になった。

その執は、周囲から見ると異様に映った。

司は当初、を評価していた。だがの案件の対応が遅れ始めると、懸を示した。

それでも黒田はを止めなかった。

20071った

黒田は改めて当の現写真を見直した。そこに写るのつき方に違を覚え、気象データと照した。

自然の積では説しにくい部分があった。

り方だけではじない形跡が、現周辺に点していた。

誰かが面をえ、何かを隠そうとした。

そう見えた。

黒田は仮説をまとめ、署に提した。

しかし証拠としてはく、正式な再捜査の根拠にはならなかった。

それでも黒田は諦めなかった。

が経つほど、証拠は失われ、記憶はれていく。

それでも、自分がくことでわずかながかりでも見つかるかもしれない。

黒田は再び資料へ向かった。

2019315

黒田俊兵のもとに、1本の話が入った。

発信元は警察庁科学警察研究所だった。担当者は、これまで名を聞いたことのない分析官、子だった。

田は、2003の森彩佳失踪事件で保管されていた証拠品の部について、再分析の結果を報告したいと言った。

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その証拠品とは、事件当に彩佳が着ていた赤いコートに付着していた微細な繊維片だった。

の鑑定では、綿混の布由来であることまでしか分からず、DNA型を得るには分とされていた。

しかし、導入されたしいDNA抽技術を用いた結果、わずかではあるが13座の遺伝子型が得られたという。

完全な型ではなかった。

だが、比較対象があれば個特定が能なレベルだった。

そしてそのDNAは、男性由来であることが判した。

さらに繊維片には、商業施設や病院などで使用される業務用洗剤の残留成分が付着していた。庭用洗剤ではまず検されない種類の化学物質であり、彩佳の活環境から自然に付着した能性はかった。

黒田は話を聞きながら、で関係者の顔をい浮かべた。

事件当、彩佳は護学の実習で病院に通い、医療器や病棟の備品を扱う会がかった。病院には護師や医師だけでなく、事務職員、清掃員、設備管理担当者などくの入りしていた。

また、彩佳は医療用品の配送に関わるアルバイトにも関係していた。倉庫や運送関係者との接点もあった。

業務用洗剤の成分は、そうした環境に由来する能性がある。

黒田は話を終えると、すぐに事件当の関係者リストを作成し直した。

病院関係者だけではない。民、失踪に接触した物、岸田子の周辺まで、すべての名を洗いした。

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