"古井戸の満点少女" 第6話
拭おうともしなかった。
そして、ひび割れた声で言った。
「私がやりました」
真実は、こうだった。
失踪当、桜は巧と昼を取り、佐々亮太の予備で写真を撮った。その、学のくに戻っていた。
そこへ結が来た。
結は事に桜と約束していた。
「論文の準備に入るに、し気らしをしよう。のいないところで静かに話そう」
親友の誘いだった。
桜は疑わなかった。
2は学の裏へ向かった。
11のには落ち葉がく敷き詰められていた。はたく、くに秩父の並みが見えた。
2は並んで座った。
最初は、試験が終わった解放や、これからのについて話していた。
桜は言った。
「自己採点で満点だったから、たぶんどこへでもけそう。お父さんは法学部を望んでいるけど、私は経済学部にきたいの。きっと最には分かってくれるとう」
桜の声はるかった。
そのるさが、結の胸を突き刺した。
結はセンター試験で失敗していた。
最の模試では桜とほとんど同じ成績だった。今度こそ勝てるとっていた。けれど本番ではが震え、がりず、自信のあった科目でミスをした。
では、幼い頃から言われ続けていた。
「桜を見なさい」
「桜は母親がいなくても、あんなに優秀なのに」
桜は切な親友だった。
だからこそ苦しかった。
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番いに勝てないことが、結をしずつ壊していた。
桜は自していたわけではない。
結もそれは分かっていた。
それでも、満点を取り、どの学部にくかを悩んでいる桜の言葉が、自分への見せつけのように聞こえてしまった。
結は、元にあったを拾った。
のひらほどのきさで、ずっしりとかった。
自分でも何をしようとしているのか分からなかった。
桜が振り向いた瞬、結のがいた。
鈍い音がした。
桜は落ち葉のに倒れた。
結は固まった。
からが落ちた。
「桜……?」
揺さぶっても返事はない。
胸にを当てると、かすかに鼓があった。
結は恐怖でが真っになった。
を駆けり、学くの公衆話ボックスにび込んだ。震えるで実の番号を押した。
母親がた。
「お母さん、変なことをしちゃった」
話の向こうはしばらく沈黙した。
やがて母の声がくなった。
「今どこにいるの」
父の茂と母はで向かうに、結に指示した。
「体のに落ち葉をかぶせて、くそのをれなさい」
結は言われた通りにした。
両で落ち葉を集め、桜のにかぶせた。
桜の顔は半分隠れた。
目は閉じかけていた。
まだきているように見えた。
その夜11過ぎ、茂のがへ入った。
父と母は、桜をのトランクに乗せた。そして秩父郊のにある、昔からっていた廃裏の古井戸へ向かった。
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その井戸は何も使われておらず、入は雑で覆われていた。親族がかつてくに畑を持っていたため、茂は所をっていた。
桜は井戸のへろされた。
恐ろしいことに、そのまだ体にはぬくもりが残っていたという。
錯覚だったのかもしれない。
しかし結の記憶では、桜はまだ完全にはんでいなかった。
井戸の入は、きな落ち葉とで覆われた。
夜2過ぎ、作業は終わった。
翌朝、結は学へき、警察に泣きながら話した。
「桜は約束があると言って、先にきました」
それが、10守られた嘘だった。
結の自は2に及んだ。
最初は途切れ途切れだった。泣きながら言葉に詰まり、何度もをんだ。けれど途から、10抱え込んでいたものが気にあふれすように、言葉が止まらなくなった。
結とその両親は逮捕された。
結は殺容疑。
父の茂と母は、体遺棄および証拠隠滅の容疑だった。
表向き、伊藤は平穏に見えていた。
茂は秩父内でさな建材を営み、母は町内会の婦部で活していた。結は浪を経て学へみ、就職し、結婚もした。
しかしの内側では、全員がしずつ壊れていた。
茂は事件、酒をやめられなくなった。最初は眠れない夜だけんでいたが、やがて習慣になった。2003には胃腸の病気で2か入院した。
母は夜に台所で1座っていることが増えた。
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