"月あかりの逆転食卓" 第7話
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完結第11話
「籍を抜いてから行け」と言われた嫁
「実家へ帰りたいなら、籍を抜いてから行きなさい」 母を亡くしてわずか1か月。初盆のため3日間だけ帰省したいと頼んだ里見に、姑は離婚を迫った。夫の浩司も妻を守らず、「少しは空気を読め」と目をそらす。 結婚して20年、家事と義父の会社の経理を無償で支えてきた里見は、静かに「分かりました」と答え、その日のうちに家を出た。 彼女が持ち出したのは、亡くなる直前の母から託された茶色い封筒だった。中には、吉沢家が暮らす家の土地が、実は母の名義であることを示す書類が入っていた。 さらに不動産会社を訪ねた里見は、母が入院していた間に、その土地を売ろうとした人物がいたことを知る。偽造された委任状には姑の筆跡。そして売却代金の入金先には、妻へ何も知らないふりをしていた夫・浩司の名前が記されていた――。嫁姑|絶縁1.6万字5 92 -
完結第11話
「昔みたいに頼むよ」と元夫は言った
離婚から6年後、48歳の真紀は、介護付き有料老人ホーム《こもれび館》で、元夫・隆弘と元姑・澄江に再会した。 かつて澄江の介護を押しつけられ、仕事まで辞めた真紀。しかし離婚後に資格を取り、今では施設運営責任者として、職員の勤務や入居契約、事故対応を統括していた。 それでも2人は、真紀を見て「まだ老人の世話をしているの」と笑い、昔のように澄江の介護を任せようとする。真紀は身内だった立場を理由に入居判定から外れ、公平な手続きを進めようとした。 ところが提出された入居相談票には、真紀が知らないうちに、緊急時の《主介護者》として現在の携帯番号まで記されていた。 誰が、離婚後に変えた番号を調べ、本人の同意なく介護者に指定したのか。調査を進めるうち、元夫がこの施設を選んだ本当の理由と、澄江にも知らされていなかった計画が明らかになっていく――。嫁姑|夫婦|介護1.6万字5 115 -
完結第11話
40組の布団と消えた保険料
妊娠8か月の奈緒は、夫の実家が営む温泉旅館で、義母から40組の布団を敷くよう命じられた。 「嫁に産休はない」と健診へ行くことさえ許されず、母子手帳まで取り上げられた奈緒は、26組目の布団を持ち上げた直後に出血し、病院へ運ばれる。 幸い赤ちゃんは無事だったが、夫は義母をかばい、「家族経営だから産休は取れない」と告げた。不安を覚えた奈緒が翌日、給与明細と自分の加入記録を照合すると、毎月天引きされていたはずの社会保険料が、どこにも納められていないことが分かる。 さらに共同口座には、奈緒の給与の一部が毎月、旅館へ送り返されていた記録まで残されていた。 4年間、家族のためだと信じて働いてきた奈緒の給料は、いったい誰が、何のために動かしていたのか。存在しない保険料をきっかけに、義母だけでなく夫も隠していた旅館の金の流れが明らかになっていく――。嫁姑|裡の顔|修羅場1.6万字5 727 -
完結第11話
離婚後、義母のカードを止めました
離婚成立から3日後の午前2時。涼子のもとへ、ハワイ旅行中の元姑・和子から怒りの電話がかかってきた。 「このクソ女! なんで私のカードが使えなくなってるの!」 和子が使っていたのは、涼子名義の家族カードだった。離婚後に解約したと伝え、「すみません、どちら様ですか?」と返した涼子に、和子は“エリート社員の息子”を捨てたことを後悔すると言い放つ。 だが元夫・健一は、3年前に一流企業を懲戒解雇されていた。その事実を隠したまま毎朝スーツで家を出て、借金を重ねながら母親への仕送りと豪華な旅行を続けていたのだ。 さらに涼子が見つけた600万円の保証契約には、何も知らない和子の名前と実印が使われていた。そして元夫が会社を追われた本当の理由を示す資料には、借金だけでは済まない不正の痕跡が残されていた――。嫁姑|第二の人生|絶縁1.6万字5 86 -
完結第12話
息子の婚約者の母は、20年前の女だった
20年前、夫の不倫によって家を追われ、5歳の息子・健一を一人で育ててきたゆみ。昼も夜も働き続けた息子は医師となり、愛する女性との結婚を決めた。 両家の顔合わせの日、婚約者の母・恵子は、ひとり親家庭を遠回しに見下しながら、上品な笑みを浮かべていた。だが、ゆみの顔を見つめた瞬間、その表情が明らかに変わる。 恵子は、20年前にゆみの夫と関係を持ち、母子を雨の中へ追い出した張本人だった。 化粧室で2人きりになると、恵子は「子どもたちには黙っておきましょう」と口止めする。しかし、ゆみの鞄には、恵子の現在を調べた報告書が入っていた。 そこには多額の借金と不審な金銭の動き、そして「娘の婚約者が医師になった」と周囲へ話す恵子の姿が記されていた。20年前に家庭を壊した女は、今度は息子の人生まで利用しようとしているのか――。真実|親子関係|不倫1.8万字5 139 -
完結第10話
消された合格通知
実家のパン店《麦の灯》が改装開店を迎えた朝、34歳の直人は、弟から「今日だけは裏口から入ってくれ」と頼まれた。 店頭では、直人が27回の試作を重ねて完成させた塩麹あんパンが、《二代目・拓海が生んだ奇跡の味》として紹介されていた。取材を受ける弟とは対照的に、直人の肩書は今も「製造補助」のままだった。 そんな厨房へ、高校時代の担任が偶然現れる。直人が「専門学校には落ちた」と話すと、担任は思いがけない事実を告げた。 「君は合格していた。特待生選考にも通っていたよ」 さらに学校には、直人本人が進学を辞退したことを示す書類まで届いていたという。しかし直人は、そんな書類を書いた覚えなどない。 弟の名前で売られる自分のレシピと、16年前に消された合格通知。家族が守ろうとした店の裏で、直人から何が奪われていたのか。一枚の古い書類をきっかけに、父と母が隠してきた選択が明らかになっていく――。兄弟姉妹|親子関係1.6万字5 340 -
完結第11話
夫の実家は空き家だった
結婚して半年。32歳の若菜は、穏やかで誠実な夫・裕介と、静かな新婚生活を送っていた。 裕介の両親は長く海外で暮らしており、日本へ戻ったばかりだと聞かされていた。正月、仕事になった夫の代わりにお年賀を届けようと、若菜は以前教えられた義実家を一人で訪ねる。 しかし、家は人が暮らしているとは思えないほど荒れていた。隣人へ尋ねると、返ってきたのは信じられない言葉だった。 「そこは5年前から空き家ですよ」 混乱した若菜が住所を尋ねても、裕介は決して教えようとせず、贈り物の蟹も自分で届けると言い張った。ところが数日後、見知らぬ男女が突然マンションを訪れ、若菜へ笑顔で告げる。 「この前は高級な蟹、ありがとうね」 5年前から誰も住んでいない「夫の実家」と、若菜の名前を知る謎の男女。裕介はなぜ家族の存在を隠し、他人の家を自分の実家だと偽ったのか――。嫁姑|親子関係|修羅場1.6万字5 647 -
完結第17話
葬儀代10万円を拒んだ叔父――17年後、空の封筒を持って私は戻った
1996年、15歳の黒川大樹は、母の葬儀代10万円を借りるため叔父・健造の屋敷で土下座した。しかし健造は大樹を泥へ蹴り落とし、父方の親族も全員背を向ける。救ってくれたのは、貧しい隣人・佐藤正一が差し出した茶色い封筒だった。母の遺品から、健造による借金と不動産取得の記録を見つけた大樹は、証拠を抱えて町を離れる。17年後、上場企業の社長となった大樹のもとへ、75歳の佐藤に2000万円が請求されているとの知らせが届く。故郷へ戻った彼が目にしたのは、泥の中で叔父に踏みつけられる恩人の姿だった。親子関係|金銭問題2.2万字5 1136 -
完結第10話
ソファの下のピンクのスマホ
息子の家へ掃除を手伝いに行った58歳の幸子は、ソファの下から見覚えのないピンク色のスマートフォンを見つける。 画面に映っていたのは、息子の妻・優奈と、知らない男が寄り添う写真だった。 最初はただの不倫だと思った。けれど端末の中には、「愛しい人」という名前の相手とのやり取り、500万円の振込記録、そして息子夫婦の家を売る計画まで残されていた。 さらに、金の行き先には優奈の弟・翔太の名前があった。 息子の雄大は何も知らないはずだった。だが幸子が問いかけた時、彼は明らかに嘘をつく。 嫁の裏切り、弟への巨額送金、謎の男、そして息子が隠していた本当の理由。 ソファの下に隠されていた一台のスマホが、家族の平穏を少しずつ崩していく――。裡切られた|嫁姑|真実1.5万字5 839