みかん小説
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"月あかりの逆転食卓" 第8話

真理子がた。顔は青く、は震え、声はかすれきっていた。

「お願いです。私のが崩れてしまうんです。どうか助けてください」

私はその言葉に、胸の奥がひりつくのをじた。

助けてください。

かつてのために、秀夫のために、どれだけ助けてきたことか。

けれど、あの卓が蘇る。

「気持ち悪い」

「受け付けない」

「買ってきた方がよかった」

孫ので料理を侮辱された、あのたい空気。

私は静かに言った。

「私の料理は、気持ち悪い餌みたいなものだったのでしょう?」

真理子は震えながら言葉を失った。

私は続けた。

「その気持ち悪い料理を作った私が、今さらあなたたちを助けられるとう?」

奈々が泣き崩れた。

「違うんです。違ったんです。あのは勢いで……」

「勢いで言える程度の侮辱だったのね」

私の声は淡々としていた。

「私にとっては、の奥に残るの傷よ」

秀夫はそのに崩れ落ち、玄関のたたきにをついた。

「母さん、本当にすまない。俺、何も分かってなかった」

私は秀夫を見ろした。

「あなたが黙っていたことが、1番苦しかったわ」

その言で、秀夫は泣き声をげた。

「母さん、ごめん。ごめん……」

奈々は嗚咽しながら言った。

「援助も、相続も、もう度考えてもらえませんか? のためにも……」

私は静かに首を振った。

「援助も相続も、全て見直しました。私はもう、誰のためにも自分を削らない。

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これからは私のきるだけ」

奈々の肩ががくりと落ちた。

真理子は泣き叫ぶようにわせた。

「お願いです。私、全部失うんです」

私の返事は、極めて穏やかだった。

「私はあなたたちに、母親として扱われなかった。だからもう、母親として都よく使われることはありません」

扉を閉めようとしたくからの泣き声が聞こえた気がした。

「バーバ、ごめんなさい」

私は涙をこらえ、扉にそっとを当てた。

あなたのことは、ずっと切よ。

けれど、扉はけなかった。

ければ、また同じ獄に戻ると分かっていたから。

かちり。

鍵が静かに回り、の世界の懇願が瞬でざかった。

私はゆっくり息を吐いた。

「これで終わり」

リビングに戻ると、正治が何も言わずに私の肩を抱いた。

私はその腕ので、ようやく涙をこぼした。

その、奈々たちの活は目に見えて崩れていった。

真理子のInstagramは、炎が収まるどころか、過の投稿まで掘り返されていた。あかりクックの構図を真似た写真、似たような文章、器の配置。1つ1つが比較画像にされ、拡散された。

「これは参考じゃなくて盗用」

を見しておいて、そのの料理を真似してたの?」

「恥ずかしすぎる」

真理子は期、さな料理サロンをこうとしていた。SNSで気がれば、講座もできる。そんなを語っていたこともあった。

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けれど炎、予約は全てキャンセルされた。

側からも連絡が入った。

「今回の件が落ち着くまで、貸ししは見送らせてください」

真理子は受話器を握りしめたまま、言葉を失った。

奈々の職でも、向きは変わった。

彼女はSNSに詳しいことを売りにして、広報関係の仕事をしていた。だが、自分の母のアカウント炎に加え、本の料理を侮辱していたことまでられ、社内での信用を失った。

「奈々さん、しばらく部向けの案件からはれてください」

司にそう言われた、奈々は真っ青になった。

「でも、私は直接パクったわけじゃ……」

「問題はそこだけではありません。発言の方も、企業イメージに関わります」

奈々は何も言い返せなかった。

秀夫も、会社で肩の狭いいをするようになった。親を守れなかった息子として、庭内のトラブルをネットに晒された男として、同僚たちの線はたくなった。

「奥さん、変ですね」

「お母さんに謝ったんですか?」

何気ない言葉のようでいて、その奥に軽蔑があることを秀夫はじていた。

に帰っても、そこにらぎはなかった。

真理子は泣き、奈々は苛ち、数が減った。

「全部、お義母さんが悪いんじゃない」

ある夜、奈々がそう吐き捨てた。

秀夫は疲れきった顔で彼女を見た。

「まだそんなこと言うのか」

「だって、あのあかりだなんて言わなかったから!」

「言ったら、あの料理を気持ち悪いって言わなかったのか?」

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