みかん小説
本棚

"赤ワインの逆転離婚" 第9話

「話せる雰囲気じゃなかった」

夫はまた、私のせいにしようとした。

私はそれ以に言い争うのをやめた。レストランでの来事を目撃した員もく、夫が浮気を認めたことについては記録も残っている。

な相談をい、婚の準備をめた。

調べていくうちに、夫が楓へかなりの額を渡していたことも分かった。

夫名義の貯座は、私が把握していた額より幅に減っている。楓から事業資族の事を理由にを求められ、そのたびに振り込んでいたらしい。

「困っているって言われたんだ」

夫は通帳をに、力なく説した。

「結婚したら返してくれるとってた」

「私と結婚しているのに?」

夫は言葉を失った。

婚すると決めた、楓との結婚を本気で考えていたのだろう。だから妻である私に隠れて、共する活には使おうとしなかったを差ししていた。

楓が夫を持ちげ、素敵な男性だと褒めていた理由もだった。

褒めれば褒めるほど、夫が気分を良くしてしたからだ。

それでも夫は、最まで完全には認めようとしなかった。

「楓にもしくらい、本当の気持ちがあったとう」

私は呆れて夫を見つめた。

警察に連される、楓は夫へ度も助けを求めなかった。夫を配する言葉もなく、婚してほしかったからワインをかけたと言い捨てただけだ。

広告

それでも、自分はされていたと信じたいらしい。

その愚かさに付きう気はなかった。

夫はレストランのや備品にじた損害についても、から請求を受けた。実際にワインをかけたのは楓だったが、楓をへ連れてきて隣の席へ待させたのは夫である。

夫は最初、すべて楓の責任だと主張した。

しかし側との話しいや警察への説ねるうちに、逃げ切れないと理解したようだった。

そこへ私への慰謝料も加わった。

夫はレストランで、浮気をしていることを自ら認めている。私へワインをかけた女性を庇い、婚を求した事実も消えない。

夫は当初、慰謝料など払わないと息巻いていた。

けれど現実の続きがむと、その態度は急速にくなった。

「こんなに払ったら、活できなくなる」

類を見ながら夫は青ざめた。

「楓に渡したおがあるでしょう」

「あれは騙し取られただ」

「だからといって、私への責任がなくなるわけじゃない」

夫は項垂れた。

は楓への貢ぎ物できく減り、残ったもレストランへの賠償と私への慰謝料に消えていった。夫の座はで、ほとんど空になった。

私はその姿を見ても、かわいそうだとはわなかった。

楓が詐欺師であることはらなかったとしても、妻を裏切る選択をしたのは夫自だ。

広告

自分で選んだの結果を、自分で受け取っているだけだった。

やがて婚が成し、私はた。

しい部は以まいより狭かったが、玄関をけた瞬に誰かの嫌を探らなくていい。夕を作っても否定されず、疲れているは何も作らなくても責められない。

1きりの部む酒は、結婚していた頃よりおいしくじられた。

夫はも何度か連絡してきた。

「本当に反省してる」

「もう度やり直したい」

「恵しかいないと分かった」

私は返事をしなかった。

失ってから切さに気づいたのではない。次にこうとした相が詐欺師だったから、元に残っていた元妻へ戻ろうとしているだけだ。

そんなの受け皿になるつもりはなかった。

婚からしばらくして、夫の会社にも騒の話が伝わったらしい。

結婚詐欺師に騙されたことだけなら、夫も被害者として同されたかもしれない。しかし妻がいるで浮気をし、その妻を級レストランへ呼びして婚を告げようとしたことまで広まった。

しかも浮気相が妻へワインを浴びせ、警察に逮捕された。

噂になるには分すぎる内容だった。

夫は職で肩の狭いいをするようになったという。

まで普通に話しかけてきた同僚が距を置き、休憩へ入ると会話が止まる。

司からも活態度について厳しく注されたらしい。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: