みかん小説
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"捨てた妻の春" 第7話

子供を利用して、隼さんのへ入り込もうとしているんでしょう」

その、それまで黙っていた子からがった。

さな眉を寄せ、私のへ歩みる。まるで私をかばうように、麗華とのった。

「おばさん」

は麗華を真っ直ぐ見げた。

「僕のママに、そんな声で話さないでください」

麗華のいたまま止まった。

「ママは、僕が切にしているです。誰もママをいじめることは許しません」

さな体から、揺るがない志が伝わってきた。

ろ姿を見つめていた。

目のが、自分の息子であるという最の疑いも、その瞬に消えたのだろう。勇敢で、しっかりしていて、母親を守ろうとする12歳の

その子のに、隼度もいなかった。

私はの肩を抱き、自分のそばへ引き寄せた。

、格好よかったよ」

が私を見げ、ようやくし笑った。

私は子からがった。

「もう、話すことはありません」

「待て」

も勢いよくがり、数歩で距を詰めた。私の首を掴もうと腕を伸ばす。

私はを背へかばい、そのを避けた。

「触らないでください」

「DNA鑑定をさせてくれ」

「必なら、正式な続きを取ってください」

「静

が初めて、懇願するように私の名を呼んだ。

けれど、その呼び方は12遅かった。

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私はを握り、た。

卒業式で起きた来事は、隠し切れるものではなかった。

式典は学関係者向けに配信されており、隼が並んだ映像を、くの保護者が見ていた。数もしないうちに、経済誌や週刊誌が隼の過を調べ始めた。

SIキャピタルの広報担当者は、個な問題について回答しないという声した。

しかし、隼妻が著名なフォトグラファー吉田静であること、その息子が隼に酷似していること、婚と再婚の期がなることは、すぐに広まった。

私は取材依頼を全て断った。

を社会に破滅させることが目ではなかった。を認めさせるために、世の好奇へ息子を差しすつもりもない。

、弁護士を通じてDNA鑑定の請が届いた。

私はを確認した。

「嫌なら断ってもいい」

私がそう伝えると、し考えた。

「はっきりさせた方がいいとう」

「どうして?」

「僕があのの子供じゃないって言われるのは嫌だから。でも、子供だと分かっても、あのがお父さんになるわけじゃないよ」

の言葉は、12歳とはえないほど静だった。

鑑定結果は、隼物学の父親であることを示した。

結果がた翌、隼は弁護士を通じ、との面会を求めてきた。養育費だけでなく、これまでの活費や教育費を遡って支払いたいとも申した。

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提示された額は、私が像していたより遥かにきかった。

私は類をへ見せなかった。

額で気持ちを揺らされたくなかったからではない。にとって必なのは、いくら受け取れるかではなく、自分が隼と会いたいかどうかだった。

「会ってみたい?」

私が尋ねると、は窓のを見た。

「1回だけ」

「理由を聞いてもいい?」

「ママに謝ってほしいから」

面会は、目のないホテルの会議われた。

は約束のより30分く来ていたという。私とが入ると、彼はすぐにがった。

卒業式で見たより、ひどく疲れて見えた。

級なスーツを着ていたが、目のには濃いができている。にすると、隼は何を言えばよいのか分からないように何度も唇を閉した。

……君」

「吉田です」

は静かに名乗った。

の顔がわずかに歪んだ。

自分の姓ではなく、私の姓を名乗る息子。その当たりの事実すら、隼には痛かったのだろう。

「本当に、すまなかった」

げた。

「君がまれたことをらなかった。っていれば、私は――」

「何をしたんですか?」

が遮った。

は顔をげた。

「ママと婚しなかったんですか?」

「それは……」

「別のが好きだったのに?」

は答えられなかった。

子に座ったまま、両膝のを組んだ。

「僕は、あなたが僕のことをらなかったのは、仕方がないとっています」

の目に、瞬だけ希望が浮かんだ。

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