"親友に夫を譲った日" 第2話
忙しい夫に代わって庭を支えることも、承したで結婚したつもりだった。
私が悔していたのは、ただ1つ。
友幸と結婚したことよりも、子を親友だと信じてしまったことだった。
子と会ったのは学に入学したばかりの頃だ。
当の私は、化粧にもにも興がく、で話すのも苦なな学だった。
方の子は華やかで、いつも勢の学に囲まれていた。
見た目が良く、話もで、誰に対しても親切に見えた。
「弥、どうかしたの?」
ある、子は廊でち止まっていた私の肩を軽く叩いた。
「提するレポートがまなくて……」
「なんだ、そんなこと? 私が伝ってあげる。緒にやろうよ」
「でも、私みたいなな子と緒にいると、子まで変な目で見られるよ」
実際、周囲からは奇異の目を向けられていた。
なぜ気者の子が、あんなな女と緒にいるのか。そんな声が聞こえてくるようで、私は俯いた。
「何を言ってるの。弥と私は、入学したからの親友でしょう?」
子は周囲へ厳しい線を向けると、私の肩を抱き寄せた。
「私たちは何もかも正反対だけど、親友なの。みんなも弥と仲良くしてあげて」
その言葉で、周囲の学たちは私にも話しかけるようになった。
私は子に謝した。
けれど今なら分かる。
子はいつも「してあげる」
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と言っていた。
緒にいてあげる。待っていてあげる。伝ってあげる。紹介してあげる。
その言葉には、私が子よりのだという提が隠されていた。
子のおかげで私は学活を送れている。
子がいなければ、私は何もできない。
そうい込まされ、しずつ自信を奪われていたのだ。
就職活のもそうだった。
「私、あの自ディーラーの採用試験を受けたいの」
子は私が持っていた企業案内を指差した。
「そこ、私も受けようとっていたんだけど」
「だったら譲ってくれない? 私と弥が緒に受けても、どっちが採用されるか分かるでしょう?」
成績は同じくらいだった。
けれど、見た目や付きいでは子の方がだと、当の私は信じ込んでいた。
「じゃあ、私はを受けようかな」
「そうしなよ。弥には、コツコツ働く員の方が向いてるよ」
結局、子は自ディーラーに就職し、私は員になった。
それからもなく、子は私に友幸を紹介した。
「同僚に島友幸っていうがいるんだけど、弥にぴったりだとうの」
子が勧めるなら違いない。
当の私は、そう信じて疑わなかった。
友幸との交際は順調だった。
何度目かのデートで、友幸は照れたように言った。
「弥さんは本当にいいだな。君みたいなと結婚できたら幸せだとう」
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「そんな、私なんて」
「でも、俺から結婚してくれとは言えないんだ」
理由を尋ねると、友幸はの悪い母親のことを話した。
父親はすでにくなり、母親は1暮らしをしている。いずれ結婚相に介護の負担をかけることになる。
さらに自分は仕事が忙しく、事にもほとんど協力できない。
「そんな条件で結婚してほしいなんて、言えないよ」
「私は気にしません」
私はすぐに答えた。
「お母さんのことも、のことも任せてください」
友幸のことが好きだった。
それくらいの苦労なら乗り越えられるとっていた。
やがて結婚し、葵がまれ、私はを退職した。子育てが落ち着いてからスーパーでパートを始めたが、庭の負担は々増えていった。
そして結婚から数。
葵を幼稚園へ迎えにった、ママ友の美さんが険しい顔でづいてきた。
「弥さん、し話があるんだけど、ある?」
私たちは子どもたちを連れ、所のカフェへ入った。
注文したケーキが運ばれてくると、美さんは声を落とした。
「実はね、見ちゃったの」
美さんはダイエットのため、所のスポーツジムに通っていた。
数、そこで友幸を見かけたという。
「ご主、女のと緒だった。かなり親しそうだったよ」
「まさか。仕事関係のじゃない?」
では否定したが、カップを持つが震えた。
美さんは私のにそっと自分のをねた。
「今度、緒に確認してみない? 浮気だったら証拠も必になるでしょう」
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