"親友に夫を譲った日" 第4話
「もう5くらいになるかしら」
「ふざけるんじゃないわよ! っていて、どうして何もしなかったの?」
「婚の準備をしていたのよ。パートしか収入がないくせに活できるのかって、友幸なら言うとったから」
私は友幸へ線を向けた。
つい先ほど、彼はまさにその言葉をにした。
友幸の顔が赤くなる。
「だったら、とっととていけ! 荷物はあとでどこにでも送ってやる!」
「その必はないわ。私と葵の荷物は、ほとんどお母さんのに移してあるから」
「お袋のところに?」
友幸の顔が変わった。
「自分の妻と娘の荷物が減っていたことにも気づかなかったの?」
私はさく笑った。
「本当に残なね。いろいろなで」
「うるさい!」
「慰謝料は請求するわ。婚届も弁護士を通して渡すから」
「勝にしろ!」
「浮気をした代償はくないわよ。覚悟しておいて」
私は2を残し、をた。
義母のへ戻ると、葵が卓の準備を伝っていた。
「お帰り、お母さん」
「ただいま。あのね、葵……」
どう話すべきか迷っていると、葵の方から尋ねてきた。
「もしかして、婚することになった?」
「どうして分かったの?」
「お父さん、最ずっと変だったから。それなら私は賛成だけど」
「ショックじゃないの?」
「お父さんなんか、別にいなくていいよ」
それは以から葵が繰り返していた言葉だった。
けれど私は、その言葉に込められた本当のを考えようとしていなかった。
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葵もい、父親のたさに傷ついていたのだ。
「ごめんね。ずっとさせて」
「私は平気。でも、おばあちゃんは?」
葵が義母を見る。
私ははっとして、義母へ向き直った。
「お母さん、その……」
「いいのよ。どうせ友幸が悪いんでしょう?」
義母は私のそばへ来ると、子どもを慰めるようにを撫でてくれた。
「こうなるかもしれないとって、施設の話をめてくれていたんでしょう?」
「はい。でも、お母さんが本当に納得してくれるか配で」
「私も覚悟が決まったわ。続きをめてちょうだい」
私は堪えていた涙を止められなかった。
以から私は、義母に介護施設への入居を提案していた。
介護をしたくないからではない。
婚したあと、私が友幸の母親を今までどおり介護できる保証はない。友幸が世話をするともえなかった。
義母が1で取り残されないようにするためだった。
施設との話はすでにんでいた。
あとは義母の承諾だけだった。
翌から、私は本格にき始めた。
弁護士を探し、婚のまいを探し、葵の学へ通いやすい域を歩き回った。
そして3。
産会社をたところで、スマートフォンが激しく鳴った。
着信画面には子の名が表示されている。
「もしもし」
「どれだけ話したとってるのよ!」
をつんざくような声に、私はわずスマートフォンをざけた。
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「今、産にいるの?」
「そうだけど」
「盗んだおででも探してるの?」
「盗んだおって何のこと?」
「とぼけないで! 友幸さんから預かった通帳が空っぽだったのよ!」
私はさく息を吐いた。
「ああ、そのことね。最初から空っぽよ」
「嘘つかないでよ! 友幸さんの会社は料がいいんだから、活費に困るわけないでしょう!」
「いくら料が良くても、族と浮気相の両方を養っていたらりなくなるわよ」
子が黙った。
私はゆっくり説してやった。
友幸は毎の料を2つに分けていた。
約7割を計に入れ、残りを子との交際費に使っていたのだ。
旅、事、類、アクセサリー。
調査を依頼して確認しただけでも、かなりの額になっていた。
「料の7割だけで活してたっていうの?」
「だから私がパートをしていたんでしょう?」
「でも、あんたはおを持ってるんでしょ。それをよこしなさいよ!」
あまりに勝な言葉に、わず笑いそうになった。
「私が持っているのは、自分で稼いだおだけよ。文句があるなら、あなたへの慰謝料を乗せするけど?」
「乗せ?」
「浮気相に請求する慰謝料よ。相の範囲で済ませようとっていたけど、満みたいだから」
そこで話は切れた。
そのは何度かかけ直したが、子はなかった。
翌、子から再び話がかかってきた。
「どこに隠したのよ!」
「今度は何の話?」
「あの女よ! 友幸のお母さん!」
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