"親友に夫を譲った日" 第6話
「お待たせしました」
声をかけると、美さんが笑顔で振り返った。
「ああ、もう来ていたのね」
「ええ。元夫と元親友に挨拶していたところです」
私が2を紹介すると、友幸の顔から余裕が消えた。
美さんの隣にっていた男性に気づいたのだ。
「あ……鈴原様。本はありがとうございます」
友幸は慌ててをげた。
「美さんのご主とおりい?」
私が尋ねると、美さんは夫の腕にを添えた。
「そういえば、弥さんは夫に会ったことがなかったわね。元でスーパーを経営していて、友幸さんの会社の顧客なの」
美さんの夫は、友幸の勤めるディーラーの顧客だった。
自分と妻のを購入しているだけでなく、経営する複数の舗や従業員にも友幸の会社を紹介していた。
友幸にとって、決して失いたくない相だった。
美さんは夫へ私を紹介した。
「こちらがママ友の弥さん。今は私と緒に投資会社を経営しているの」
「投資会社?」
子の顔が変わった。
「どういうことよ」
「聞いたとおりよ。婚は投資会社の仕事をしているの」
員だった頃、私は資産運用について学んでいた。
結婚も額から投資を続けており、婚を決してからは改めて勉し、運用方法を見直した。
すぐにを得たわけではない。
損失をしたこともあった。
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それでも、いをかけて定した収益を得られるようになった。
その話を美さんにすると、彼女も興を示した。
やがてのママ友からも相談を受けるようになり、それなら会社として正しく運営しようという話になったのだ。
「収入なら分あるわ。むしろ婚してからの方が、計は定しているくらい」
私は子のお腹へ目を向けた。
「そちらはどう? おの準備はできた?」
子は悔しそうに顔を背けた。
「変でしょうね。友幸があんな状態だと」
私が指差した先で、友幸が鈴原さんにくをげていた。
「申し訳ありません。私の浮気が原因です。仕事とは関係ありませんので、今ともどうか……」
ついにはへ膝をつき、座まで始めた。
だが鈴原さんの表は変わらなかった。
「庭を支えてくれた奥さんを裏切り、その奥さんを見世物にするような席へ私たちを招いたを、今までどおり信用できるといますか?」
友幸は何も答えられなかった。
会にいた会社関係者たちも、次第に事を理解し始めていた。
周囲のたい線は、今度は子と友幸へ向けられていた。
結婚披パーティーの直、鈴原さんは友幸の会社との取引を見直した。
美さんの夫が紹介していた複数の顧客も、それに続いた。
会社にとってきな損失だった。
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友幸は司から厳しい叱責を受け、同僚たちからも距を置かれるようになった。
浮気だけなら、会社は私活の問題として扱ったかもしれない。
だが切な顧客を、元妻を侮辱するための席へ呼びつけたことは、営業職として致命だった。
やがて友幸は居所を失い、自分から会社を辞めた。
い料も、営業として築いてきたも、すべて失った。
方の子は、産を控えて働けなかった。
友幸の料と貯を当てにしていたのに、通帳は空にく、退職の収入もない。
披パーティーの費用も、部分を借で賄っていたという。
2の関係は、あっというに崩れた。
「あなたが会社を辞めたせいで、活できないじゃない!」
「おが派な披宴をしたいって言ったんだろ!」
「元はといえば、弥に全部使わせたからおがないのよ!」
「弥が使ったんじゃない! おに使ったんだろ!」
互いに責任を押しつけい、子どもがまれるから婚話になった。
しかし子は妊娠で働けず、友幸にも定した収入がなかった。
すぐに別れることもできず、しばらくは同じで憎みいながら暮らしていたらしい。
やがて産、子は正式に婚を求めた。
友幸は養育費を払えないと主張し、子は慰謝料と財産分与を求した。
分けるほどの財産など残っていないのに、2は互いを罵りい、裁判へんだ。
友幸は事現で働き、子は夜ので働き始めたという。
必に稼いだを弁護士費用へ使い、法廷で相を責め続けている。
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