みかん小説
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"喪服の離婚届" 第6話

机の引きしをけると、印鑑ケースのに、見慣れない茶い封筒があった。

表には、父の几帳面な字でかれていた。

――誠治君の件について。

私はし迷った、封筒をけた。

には、7付が記された始末の写しと、父の直の便箋が入っていた。

始末を読んだ瞬線が凍りついた。

入社して数だった誠治は、な顧客報を無断で部へ持ちし、流させかけていた。

本来なら懲戒解雇になってもおかしくないな過失だった。

その裏に添えられた父のには、こうかれていた。

――今回の報管理の件は、社である私の監督き届きとする。

――私が代表取締役を退き、責任を取ることで、彼の解雇だけは避けてほしい。

――この事実は、本にも由佳にも伏せておくこと。の結婚活にを落としたくない。

を持つが震えた。

父が突然、社の座を退いたのは7だった。

、父は「体調を考えて、軽になりたい」と笑っていた。

私は、穏やかな老を過ごすための向きな決断だとっていた。

けれど、真実は違った。

父は、自分がをかけて育てた会社の頂点を差しし、誠治の社会を守ったのだ。

その頃、誠治は酔って帰宅し、得げに言っていた。

「会社の古い役員は無能ばかりだ。俺が取引先の問題を丸く収めてやったんだ」

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彼は自分がどれほどきな犠牲のっているかをらず、自分の実力で危を乗り越えたとい込んでいた。

そして昨、父の法事には1円の価値もないと言い放った。

父の会社をさな会社だと嘲りながら、その創業者にを救われていた男。

私は奥歯を噛みしめた。

私たち親子は、誠治のっぺらな自尊を守るため、沈黙してきた。

しかし、その沈黙は彼を成させなかった。

父のは利用され、正と嘘によって踏みにじられた。

私はを封筒へ戻し、提げの奥へ入れた。

父の沈黙を、これ以引き継ぐ必はない。

その、私は役所で戸籍謄本を取得し、兄から紹介された法律事務所へ向かった。

弁護士の机に、戸籍謄本、帳、誠治の隠し座の記録、父のを並べた。

弁護士はつずつ確認した、静かに言った。

「入記録とご主の帰宅は、力な証拠になります。お父様のも、ご主がどれほどきな恩を受けながら誠実な為を続けたかを示すな資料です」

私は膝ので両を組んだ。

「財産分与と慰謝料を請求してください。それから、今の連絡はすべて代理を通すよう通をお願いします」

「承しました」

事務所をると、誠治からいメッセージが届いていた。

――調査委員会は俺の弁を理解した。

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役員たちもく頷いていた。今夜までに謝るなら、婚届の件はに流してやる。

私は画面を閉じた。

彼はまだ、自分の嘘が通用したと信じている。

役員たちが黙っていた理由を、何つ理解していなかった。

の朝、私は実の居で、静かに計を見げていた。

8し過ぎている。

兄の話では、今頃、誠治の社員証は本社のセキュリティゲートで使えなくなっているはずだった。

になって兄から聞いた話によれば、誠治はその朝も自信に満ちていたという。

照代が嫌そうに朝を用する横で、トーストをかじりながら笑っていた。

「放っておけばいい。由佳は俺の稼ぎがなければきていけない。今の夕方には泣いて帰ってくるさ」

婚届に署名したことも、ただのがりだとっていた。

誠治はいつものスーツを着て、ネクタイを締め、会社へ向かった。

の弁によって調査は終わった。むしろ困難を乗り越えた社員として、評価ががるかもしれない。

そんな都のいい未来をい描いていたらしい。

本社ビルのエントランスは、勤する社員で混雑していた。

誠治は首から社員証をし、慣れたつきで読み取りへかざした。

けれど、透なゲートはかなかった。

たいエラー音が鳴り、ランプが赤く点滅した。

舌打ちし、カードをこすってもう度かざす。

それでも扉はかない。

何度繰り返しても、ゲートは彼を拒絶した。

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