みかん小説
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"23回拒まれた元部長" 第6話

コンペの翌晩、佐藤はリビングのテーブルにスマートフォンを置き、これまでの来事をせる範囲でき始めた。最初は単なる愚痴を吐きすつもりだったが、付を確認するために練習の予約履歴や族とのメッセージを遡るうち、自分が加藤を断った回数のさに驚いた。曖昧な記憶ではなく、記録として並べると異常さがはっきり見えた。

105、「今画を見ながら練習するので結構です」。1012、「自分のペースでやりたいので丈夫です」。1019、「アドバイスは必ありません」と、佐藤は覚えているだけでも毎週のように言葉を変えて断っていた。

それでも加藤は来た。あるはグリップを直し、あるは背を押し、別のにはクラブを勝に持ち、佐藤が「触らないでください」と言っても「力が入り過ぎているから敏になっている」と解釈した。佐藤は自分が角をてないために添えてきた理由が、すべて加藤の反論材料として利用されていたことに気づいた。

記録は23回に達した。

佐藤はその数字を見つめたまま、しばらくかなかった。自分では「何度も断った」としか認識していなかったが、23という具体な数になった途端、単なる相性の悪さや誤解ではなく、繰り返される確な境界線侵害に見えた。1回、2回なら聞き違いもあるが、23回も拒まれてなお「相は本当は教わりたい」

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と解釈するのは、もう善だけでは説できない。

、佐藤は練習の支配に相談した。受付横のさな事務で、加藤から何度も指導を受け、断っても打席へ入ってくること、クラブを勝に触られたこと、練習を途で切りげたことを説する。な話にしたくなかったため、スマートフォンの記録も見せた。

支配は画面を数分確認した、「実は、のお客様からも同じような相談が何件か来ています」と言った。加藤は初者らしい客を見つけると声をかけ、断られても話し続けることがあり、スタッフが注したこともあったらしい。本はその都度「困っているを助けているだけ」と主張し、しばらくするとまた同じを繰り返していた。

「今、佐藤さんの打席へ入ったはすぐスタッフを呼んでください。こちらからも改めて注しますし、改善がなければ利用制限も検討します」

佐藤はようやくし肩の力が抜けた。自分が神経質過ぎるわけではなく、も同じ違を持っていたという事実がきかった。加藤に理解してもらおうと何度説しても疲れるだけだったが、施設のルールとして線を引けば、なくとも自分で戦う必はない。

その夜、佐藤はさらに記録を理した。付、、断った言葉、加藤の返答、勝に触られた物、練習を断したかどうかまで簡潔にき、画面をつの覧にした。

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を入れず、ただ起きたことだけを並べた記録は、佐藤自っていた以いものだった。

からも似た話を聞くことになった。佐藤の妻とが同じ域のヨガ教へ通っており、雑談ので「ゴルフに教え魔がいて困っている」という話から、偶然同じ加藤だと分かったのである。はサークルでの状況を話し、「こちらも代表が注したけれど、全然分かっていないみたい」と疲れたように笑った。

佐藤はへ連絡し、自分が作った記録を共してもいいかを通じて確認した。数から「ぜひお願いします」と返事が来た。加藤の問題はつの所だけではなく、所を変えて同じ形で繰り返されていることが、初めて関係者同士で共された。

その、佐藤はようやく理解した。加藤を止めるには、彼自の反省を待っていてはいけない。相がどう受け取るかではなく、周囲が「ここから先は入らせない」と共通の線を作らなければならなかった。

次の、佐藤は久しぶりに練習の予約を入れた。以なら加藤がいるかどうかを確認してから打席へ向かったが、そのは受付で特に尋ねなかった。スマートフォンには23回分の記録が保され、支配にも話は通っている。

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