みかん小説
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"消えた託児代7万円" 第3話

その翌朝には、自分の勤務先での子どもたちと向きわなければならない。が続くと注力が落ち、あるとうとう同僚から「最、顔悪いよ。丈夫?」と声をかけられた。

そのの夜、私は達夫に初めて本気で相談した。「最、クレアちゃんの世話、ほとんど私がやってる状態なんだけど」と切りすと、達夫はテレビから線もかさず、「まあいいじゃん。子育ての練習になるだろ」と答えた。

私は冗談だとい、「練習って何?」と聞き返した。すると達夫は笑いながら、「俺たちだってそのうち子ども欲しいだろ。ゆいは保育士なんだし、ちょうどいいじゃん」と続けた。

「私は毎、仕事で朝から子どもを見てるんだけど。どうしてに帰ってからまで、練習をしないといけないの?」

そう言うと、達夫はし困った顔をして、「そんなげさな話じゃないだろ。族なんだから」と返した。私はその言葉を聞きながら、初めて自分のい違まれるのをじた。

族だから。

その言葉が、このでは何かを押しつけるにだけ使われている気がした。

それでも私は、すぐにったりたりはしなかった。奈も仕事と育児で変なのだろう、子もさな子どもの世話はきついのだろう、達夫も仕事で疲れているのだろうと、ずつ理由を考えて自分を納得させていた。

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保育士として、保護者の事へできるだけ寄り添うことを仕事の切にしてきた私は、族に対しても同じように理解しようとしていた。

しかし、理解することと、何でも引き受けることは同じではない。その当たりのことに気づかせてくれたのは、学代から付きいのあるの友だった。は介護士、もう護師で、久しぶりにでランチをしたのことだった。

況を話しているうちに、介護士の奈緒が「職業って、族のだと無料サービスみたいに扱われることない?」と言った。彼女の祖母は介護2で、親戚が集まるたびに「奈緒はプロなんだから、お呂入れてあげて」と簡単に頼まれるらしい。

「施設なら体制で、必ならリフトも使ってやることを、普通のの狭い浴でやってって言うんだよ。危ないから無理って説すると、『介護士なのにたい』って言われるの」

護師の真理もすぐに頷いた。「私は母や親戚から、薬をんでいいかとか、この症状は何かとか、診断みたいなことまで聞かれる。私は医者じゃないし、責任を持って判断できないって言うと、『族なんだから教えてくれてもいいのに』って言われるんだよね」と苦笑した。

「結局、都のいいだけ専職として使われて、断ると族扱いされるんだよね」

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奈緒がそう言った、私はわず黙り込んだ。

職業搾取という言葉がに浮かんだ。保育士だから子どもの世話ができることと、勤務に親族の子を無制限で預からなければならないことは全く別の話だ。私が資格を取るまでに学んだことも、働きながら積んできた経験も、本来は「族だから無料で使っていい技能」ではない。

そんな話をしていた、隣のテーブルから男女の会話が聞こえてきた。女性は美容師らしく、男性が「今度の休み、で髪切ってくれない? くといし」と軽い調子で頼んでいた。

女性は「具も揃ってないし、休みのは仕事のことを考えたくないからごめん」と断った。すると男性は面倒そうにを曲げ、「それくらいいいじゃん。ケチだな」と言った。

その瞬、女性の表から笑みが消えた。「ケチなのはどっち? 私の技術におを払う価値はないとってるくせに、自分は無料でやってもらおうとするんだ」と静かに言い、男性が言い返すに席をった。

「いつもそう。髪を切って、カラーして、友達もくしてって言う。断ったらケチって、恥ずかしくないの? 財布だけじゃなくて、の仕事への敬まで貧しいとは無理」

その女性は会計を済ませ、そのままていった。男性は取り残され、しばらく何も言えずに座っていた。

真理がさく「格好いいね」と言った。奈緒も「あれくらいはっきり言えたら気持ちいいだろうね」

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