"壁の中の13年" 第7話
平成3当の会社関係者、族、相続の資料まで調べられ、茂が弟とく仲だったことも改めて確認された。父親の遺産分割をめぐり、誠が「兄にを取られた」とく満を持っていたことは、親戚のくがっていた。
方、美智子がなぜ夫ではなく兄の茂を呼びしたのかもだった。実へ送るを必としていたという話が部の資料に残っていたものの、失踪当の警察はその背景を分に調べていなかった。実母に改めて話を聞くと、美智子の実にも当、さな銭な問題があったことが分かった。
「娘は自分から助けてくれとは、ほとんど言わない子でした」
実母はそう話した。美智子が妊娠、義母との関係や夫の借についてしだけ愚痴をこぼしたことはあったが、自分が苦しいからを送ってほしいと言ったことはなかったという。むしろ「実も変だから、しでも助けたい」と話していたことがあった。
佐々は、茂が美智子から何か銭な相談を受けた能性がいと考えた。夫の誠はの失敗で借を抱え、義母にも相談しづらい状況だった。そこで父親の遺産をく受け取ったと考えていた茂へ、美智子が助けを求めたとしても自然ではなかった。
数、茂は弁護士を伴って警察署へ現れた。
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これまでと違い、顔はひどく疲れており、目のにはいがあった。取調へ入ると、自分から「13のことを話します」と告げた。
誠も別に呼ばれていた。
茂は、平成3117の午、勤務先へ話が入ったところから話し始めた。話の相は美智子で、「どうしても相談したいことがあるから、今来てもらえませんか」と頼まれたという。普段ほとんど連絡を取らない弟の妻から突然話を受け、茂は最初断ろうとしたが、声の様子がただ事ではなかったため昼休みに会社を抜けた。
午1頃、茂は田くへ到着した。美智子は町の入付まで迎えにており、で歩いてへ向かった。13に吉田さんが見た「妊婦と背のい男性」は、やはり茂だった。
へ入ると、美智子は実へ送るためのを貸してほしいと頼んだ。額そのものはきなものではなかったが、茂は「誠の庭のことは誠が何とかすべきだ」と断った。美智子は、夫にはもう相談できないと訴え、最は酒をんで帰ることがく、義母からも責められ続けていると話した。
「もうすぐ子どもがまれるのに、このでどうしたらいいのか分からないんです」
美智子が泣きながらそう言った、茂はたく突き放したという。「それは俺に言う話じゃない。弟夫婦の問題だろ」
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と言って帰ろうとした。そこで美智子もを抑えられなくなり、父親の遺産の話を持ちした。
「お義兄さんがをく取ったから、誠さんがずっと苦しんでるんじゃないですか」
その言葉で茂の態度が変わった。
茂にとって、遺産問題は弟から何も責め続けられてきた触れられたくない話だった。正式な続きを経て分けたであり、自分が弟から奪ったつもりなどない。それを弟の妻にまで責められたことで、蓄積していた苛ちが気に噴きした。
は激しく言い争った。
「嫁ので、兄弟の相続にをすな」
「でも、そのせいで誠さんはずっと苦しんでいます」
「自分たちの失敗を俺のせいにするな」
茂はそう吐き捨ててちがった。
美智子が帰ろうとする茂の腕を掴んだ。
そして、その直。
13閉ざされていたが、取り返しのつかない方向へいた。
腕を掴まれた茂は、反射に美智子のを振り払った。美智子は妊娠8かで体のが変わっており、そのできくよろめいたため、茂もわずを伸ばしたという。しかしは互いに興奮しており、茂はさらにく押し返すようなきをしてしまった。
美智子はろへ倒れ、いテーブルの角付へをくぶつけた。きな音が部に響き、美智子はそのからかなくなった。
茂は名を呼びながら肩へ触れたが、反応はなく、部からは血が見られた。
本来なら、そこで救急を呼ぶべきだった。
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