真冬の夜、義母から「安月給の嫁には水で十分」と風呂を禁じられた真理子。三年間、家計と家事を支えながら侮辱に耐えてきた彼女は、その日を境に生活費の負担をすべて停止する。 月九万円と無償の家事が消え、夫と義母の暮らしはたちまち崩れ始めた。そんな中、真理子は床下から亡き義父の黒革の手帳を発見する。 そこには、彼女の生活を守るために遺された二千万円の信託と、虐待があれば義母の居住権を失わせる誓約書が隠されていた。しかも夫は、その金を三年間にわたり遊興費へ流用していた。 お湯さえ惜しんだ親子に突きつけられる、凍結された口座と刑事告訴の可能性。沈黙を捨てた真理子は、奪われた金だけでなく、自らの尊厳と人生を取り戻すため、静かな清算を始める。