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パリへ発った妻の代償

パリへ発った妻の代償

誠一郎の珈琲帳 完結 55

70歳の藤堂誠一郎は、妻・俊子を海外旅行へ送り出した朝、彼女が隠していた一枚のメモを見つける。 そこに書かれていたのは、友人との旅行ではなく、パリ行きの便名。そして、その筆跡は妻のものではなかった。 長年連れ添った妻の裏切りを確信したその時、玄関のチャイムが鳴る。雨に濡れて立っていたのは、妻の浮気相手・村瀬広明の息子だった。 彼は深く頭を下げ、衝撃の事実を告げる。 「父が奥様と一緒にパリへ発ちました」 さらに、浮気相手の男は亡き妻の遺産を使い、俊子との新生活を準備していた。誠一郎の側でも、長年積み立ててきた定期預金が密かに動かされていたことが判明する。 裏切られた夫と、母を裏切られた息子。 本来なら無関係だった二人は、それぞれの大切なものを取り戻すため、静かに手を組む。 そして帰国の日、成田空港の到着口で、すべての嘘が暴かれる――。

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