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病院に現れなかった母

病院に現れなかった母

日出町の記録帳 完結 0

2011年9月12日、大分県日出町で、35歳の主婦・光永真知子さんが白昼に忽然と姿を消した。 その朝、体調不良を訴えながらも子供たちを学校へ送り、歯をけがした長女を迎えに行き、歯科医院とスーパーに立ち寄った真知子さん。午前11時30分頃、長女を再び学校へ送り届けた彼女は、「下校する時に電話して。家で寝ているから」と告げた。 しかし午後3時、長女が帰宅すると、家に母の姿はなかった。 玄関は開いたまま。車も携帯電話も自宅に残されていた。慎重で戸締まりを欠かさない真知子さんにとって、それはあまりにも不自然な状況だった。 一方で、バッグや財布、保険証、車の鍵、白い枕、長女のバスタオルなど、不可解な物だけが家から消えていた。だが、保険証が使われた記録はなく、病院にも現れていない。 家族を何より大切にしていた母親は、なぜ子供たちを残して消えたのか。 自ら家を出たのか、それとも日常のわずかな隙間で、何かに巻き込まれたのか。 白昼の数時間に生まれた空白は、今も埋まらないまま残されている。

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