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台所の外で母になる

台所の外で母になる

ふみこの寫真箱 完結 2

元旦の朝、66歳の村田文子は、息子家族を迎えるために台所に立っていた。 三段重のお節を用意し、雑煮の準備をしながら待っていたのに、息子の弘から届いたのは「今日は家には行けない。外で会おう」という一通のメッセージだった。 しかもその直後、親戚のグループラインには、嫁の実家で楽しそうに正月を過ごす弘の写真が流れてくる。 自分の家だけ避けられたのか。 文子は怒りと寂しさを抱えたまま、指定された和食屋へ向かう。そこで息子は、なぜか言葉を濁し続け、理由を話そうとしない。 「どうして家に来られないの?」 母が問い詰めた時、息子が取り出したのは、アルバムから消えていた一枚の古い家族写真だった。 元旦に家を避けた本当の理由。 そして、長い間“台所の中”にいた母を、息子がずっとどう見ていたのか。 すれ違っていた親子の心が、ひとつの写真をきっかけに静かにほどけていく、涙の家族物語。

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