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春雨に消えた妻

春雨に消えた妻

港北の待ち人 完結 4

1992年春、港北ニュータウンに暮らす42歳の主婦・鈴木順子は、高校卒業20周年の同窓会へ出かけた。 家事と義母の世話に追われる毎日の中で、久しぶりに見せた明るい笑顔。夫の高幸は、そんな妻を玄関で見送った。だがそれが、彼が見た最後の姿となる。 同窓会の夜、順子は店を出たあと忽然と姿を消した。通帳も衣類も家に残されたまま。家出の準備など何ひとつなかったにもかかわらず、警察は早々に「自ら姿を消した可能性」として処理してしまう。 それから31年。 妻を待ち続けた高幸の時間は、あの日の春で止まったままだった。一方で、同窓会に出席していた同級生・高橋健二は、事業を広げ、家庭を持ち、何事もなかったかのように人生を進めていた。 しかし2023年秋、古い住宅の取り壊し工事中、庭の祠の下から女性の遺骨が発見される。 31年間、土の中に隠されていた真実。 妻の髪を大切に残し続けた夫の執念が、ついに“友人の顔をした男”の醜い罪を暴き出す――。

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