みかん小説
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"車に私の席はなかった" 第29話

私は買ってきた材をキッチンに置き、ベランダにると夕に照らされるさな梅のをもう度見つめた。

あの暗くたいを乗り越え、力く咲き誇るこのは、決して諦めなかった私自の姿そのものだ。

歳からの再発は、決して遅すぎることも能であることもなかった。

尽な扱いに耐え忍ぶことを美徳とするのではなく、自分の尊厳を守るために戦う勇気を持つこと。

それが自分の残りのに対する何よりの責任であり、自分自するということなのだ。

ふと、あののためにゴミ箱からお玉の封筒を拾ってくれた幼い美咲の顔が脳裏に浮かんだ。

あの子が今どこでどんな活をしているのか私にはる由もないし、探すつもりもない。

けれどあの子のにあった嘘のない純粋な優しさだけは、どうかになっても失われないでほしい。

私は夕に向かって静かにわせ、美咲の未来がるく誠実なものであるようにと度だけ祈りを捧げた。

の準備がい、私はお気に入りの湯呑みにお茶を注いで、さなダイニングテーブルに腰をろした。

甘辛い醤油のりが部に広がり、べるととろけるようなお肉の旨いっぱいに広がっていく。

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テレビの源はつけず、ただ窓から見える静かな夜景との夜の音だけをよい背景にして事を楽しむ。

、あの京のえ切った残り物をですすっていた私が、今のこの幸せな姿を見たらどううだろうか。

きっと信じられないと驚きながらも、希望に満ちた涙を流してんでくれるに違いない。

私はもう度と自分を犠牲にして、誰かのための便利な具になるようなき方は選ばない。

私は私のの唯の主公であり、この残された豊かなをただ自分のためだけに使っていくのだ。

の温かいお茶をゆっくりとみ干しながら、私は部の壁に飾られた夫の写真を見げた。

写真のの夫は、今の私を誇りにうように、これまでで番優しく、そして誇らしげに微笑みかけてくれている気がした。

「あなた、私、これからのいきり楽しんできていくからね」

私は誰に聞かせるわけでもなく、ただ自分自の魂に誓うようにはっきりとした声でそう呟いた。

窓のでは満の梅のの夜に揺れ、甘く優しいりを部へと静かに運んできている。

私のしいは今、この美しいの訪れと共に確かな希望に満ちて力く幕をけたのだ。

これからの々は誰のものでもない。

私自鮮やかに描きしていく私だけの物語となる。

しみも痛みも全てを糧にして、私はこの先も自分のでしっかりとを向いて歩き続けていく。

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