"最後の転校届" 第9話
3かぶりだった。
「さくなった気がする」
佳代子も同じ方向を見た。
「あなたがきくなったのよ」
以なら「そんなわけない」と言い返したはずだった。
しかし修は笑っただけだった。
その、川瀬が声をかけた。
「せっかくだ。最の写真を撮ろう」
こののために来ていた写真が、舎にカメラを準備していた。
最まで杉ノ沢学へ籍した4。
そこへ修も呼ばれた。
1。
32。
美智子。
そして修。
5が並んだ。
佳代子が位置をえる。
「修君、もうし美智子さんの方へ」
「これくらい?」
「もうし」
修は横へ歩いた。
それから、し戸惑ったように言った。
「俺、ここの卒業じゃないよ」
川瀬が聞いていた。
「卒業した学が違っても、ここで育ったことまで変わらんよ」
修はを見た。
何か言い返すかとったが、黙ってを向いた。
5のろには、古い造舎がっていた。
玄関のには、
《杉ノ沢学》
とかれた名板がまだ残っている。
写真が黒い布のにを入れ、何度か位置を確認した。
「もうし寄ってください」
子どもたちが肩をづけた。
「はい、そのまま」
5がを向く。
佳代子と川瀬はしれたところから見守った。
「撮りますよ」
シャッターが切られた。
その瞬、誰も声をさなかった。
それが、杉ノ沢学で撮された最の児童写真になった。
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最のが終わると、舎の片づけは気にんだ。
子どもたちがいなくなった教は、驚くほど静かだった。
佳代子は黒板に残っていた最の文字を消した。
いチョークのが黒板消しから落ちる。
それだけの作業なのに、何度もが止まった。
机や子は順番に運びされた。
オルガンも。
理科の標本も。
図の本も。
卒業の写真は箱に収められた。
佳代子が修へ話した通りのことを、本当に自分のでしていた。
の額をすには、川瀬と2で脚を支えった。
「いですね」
「く掛かってたからな」
川瀬はそう答えた。
額そのものがいのか、2の気持ちがそうじさせたのか、佳代子には分からなかった。
数か。
杉ノ沢学の舎は取り壊された。
修たちが並んで写真を撮った所にも、材とだけが残った。
翌には川の流れがせき止められた。
位はすぐにがったわけではない。
しずつ。
本当にしずつだった。
それがかえってたちにはつらかった。
最初にい畑がに隠れた。
次に、川沿いの。
の台。
庭。
田んぼ。
子どもたちがになると魚を捕った川原。
は毎しずつくなった。
最まで残っていた垣も、やがて見えなくなった。
杉ノ沢学へ続いていた坂も途からに消えた。
をれた々のには、その様子を何度も見に来る者もいた。
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逆に、度も見に来なかった者もいた。
「沈むところなんか見たくない」
そう言ったもいた。
どちらが正しいわけでもなかった。
修は学になった。
しい学でできた友達のくと、同じ学へんだ。
最初はほとんど話さなかった修も、いつのにか休みに友達と笑うようになっていた。
杉ノ沢学のことを忘れたわけではない。
ただ、しい活のにも自分の所ができていった。
ある、徳治が修をダムへ連れてった。
初めて満くまでがたまった頃だった。
かつてがあったは、広いへ変わっていた。
の形だけは同じなのに、そのの景は何つ昔と同じではなかった。
徳治が面を指した。
「学、あの辺だったな」
修は目を細めた。
しかし、どこなのか分からない。
の角度。
の位置。
記憶のの坂。
それらをねようとしても、面しか見えなかった。
「もっと向こうじゃない?」
「いや、たぶんあの辺だ」
「庭は?」
「そのしかな」
2で話しているうちに、どちらも自信がなくなった。
修はしばらくを眺めた。
「父ちゃん」
「ん?」
「俺、あの先に腹ってた」
徳治は笑った。
「ってる」
「転させられたとってた」
「そうだろうな」
修は面を見たまま言った。
「先があのを受け取らなかったら、卒業まで通えたのにって」
徳治は何も言わず続きを待った。
「でも、しい学にってよかったよ」
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