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焼け残った家を壊せと言われた

焼け残った家を壊せと言われた

路地裏の湯気 完結 21

昭和23年、戦争の傷跡が残る東京の下町で、信一は父とともに、空襲を奇跡的に免れた小さな豆腐屋を守っていた。 ところがある日、役所の職員が店先に白い杭を打ち、「この場所には、もう家を建て直せません」と告げる。新しい道路の予定地になったため、焼け残った家も取り壊さなければならないというのだ。 駅近くの換地へ移れば、商売を大きくできる。そう考える信一に対し、父の清吉は頑として立ち退きを拒み、母まで「この家を離れられない」と言い出した。 なぜ両親は、暮らしやすい新天地より、焼け跡に残った古い家にこだわるのか。 やがて母が仏壇の引き出しから取り出した一冊の帳面によって、信一は、この家に戦後から守られてきた「ある記憶」があることを知る――。

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