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卒業写真にいた父

卒業写真にいた父

夕暮れ寫真 完結 184

昭和40年、北関東の小さな町にある写真館で、小学校の卒業写真が撮られた。 六年二組、38人。式を終えた子どもたちは、胸に紙の花をつけ、少し誇らしげにカメラの前へ並んだ。数日後、記念写真は全員に配られるはずだった。 しかし、三上健司の分だけは届かなかった。 写真館の店主は「失敗した」とだけ告げたが、健司にはどうしても納得できなかった。自分だけ写真をもらえなかった理由を知らないまま、彼は大人になり、故郷を離れていく。 それから長い年月が過ぎ、閉店間際の写真館を訪れた健司は、古い封筒の中に残されていた一枚の写真を見つける。 そこには、確かに12歳の自分が写っていた。 では、なぜあの日、その写真だけ焼き増しされなかったのか。 写真の端に写り込んでいた小さな影が、健司の知らなかった家族の秘密を静かに映し出していた――。

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