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毎日パンを持ち帰る少女

毎日パンを持ち帰る少女

縁側のみかん 完結 160

昭和38年、東京近郊の小学校で、5年生の和美は毎日、給食のコッペパンを半分だけ鞄にしまって帰っていた。 貧しいからなのか。家に小さな弟がいるからなのか。教室では噂が広がり、担任の芳江もその理由を気にかけるようになる。 しかし家庭訪問で分かったのは、和美の家が食べ物に困っているわけではないということだった。 それでも祖父は、孫が持ち帰るパンを毎日じっと見つめ、決して食べようとはしない。 なぜ老人は、学校で出された一個のパンにそこまでこだわったのか。 その理由には、戦争と食糧難の時代を生き抜いた祖父が、長い間胸に抱え続けてきた記憶が隠されていた――。

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