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完結第10話
画面の中の失踪少年
2021年5月、東京のソフトウェア企業で開かれたオンライン会議。 社長の石川健二は、画面に映った1人の社員の顔を見て、思わず息を止めた。左頬の三日月型の痕、眉の上の細い傷跡。その顔は、25年前に仙台で忽然と姿を消した9歳の少年・高橋奏太とあまりにもよく似ていた。 1996年、学校帰りに消えた奏太。家族は町中を探し続けたが、手がかりは途絶え、やがて事件は未解決のまま時の中に埋もれていった。 しかし25年後、偶然のオンライン会議が止まっていた時間を動かす。 社員として静かに働いていた男は、本当に失踪した少年なのか。なぜ別の名前で生きていたのか。そして、彼の25年間を支配していた人物とは――。 画面越しの違和感から始まった、奇跡の再会と奪われた人生の真実。行方不明|第二の人生1.5萬字5 775 -
完結第7話
山寺に消えた妻
7年前、財閥一家の御曹司・健斗は、妻の雪を“不倫した女”だと信じて家から追い出した。 宝石を盗み、若い男に貢ぎ、海外で贅沢に暮らしている――。母・良子の言葉を信じた健斗は、雪の弁解も聞かず、離婚届を突きつけた。 だが7年後、心身ともに追い詰められた健斗は、山奥の寺で思いがけない人物を見つける。 そこにいたのは、尼僧となり、雑巾がけをして暮らす雪だった。 贅沢どころか、質素な寺で静かに修行を続けていた元妻。荒れた手、粗末な部屋、そして何も語ろうとしない瞳。 本当に彼女は裏切ったのか。 健斗が7年前の“相手の男”を探し出した時、すべての疑惑は崩れ始める。雪が背負わされた汚名の裏には、財閥一家を揺るがす恐ろしい陰謀が隠されていた――。ミステリー|第二の人生1.1萬字5 1498 -
完結第22話
銀の指輪の応募者
赤ん坊をおんぶして、大和建設の面接会場へ現れた貧しい青年・田中優斗。 妻は病に倒れ、治療費も払えず、息子のミルク代にも困る中、彼が徹夜で描いた設計図だけが、家族を救う最後の希望だった。だが高級スーツの応募者たちが並ぶ会場で、赤ん坊連れの彼は冷笑され、人事部長から追い出されそうになる。 その時、床に散らばった設計図を見た女性会長・北川文子の表情が変わった。 図面に描かれていたのは、25年前に亡くなった夫と語り合ったはずの「風の道」。そして青年の顔には、事故で失った夫の面影があった。 さらに文子は、優斗の左手に古びた銀色の指輪を見つける。 それは、25年前の事故現場から消えた、世界に2つしかない夫婦の指輪だった。 貧しい応募者は、本当にただの青年なのか。 なぜ彼は、その指輪を持っていたのか。 25年前に死んだはずの息子をめぐり、財閥一族に隠された真実が動き出す――。人生逆転|第二の人生3.4萬字5 533 -
完結第28話
19 年間富豪を守り 23 回命を救った俺、退職金たった 3 万円。雇い主のメッセージに全身凍る
19 年もの長きにわたり、有名大富豪の身辺警護を担う専属ボディガード。 銃撃、襲撃、誘拐危機…… 合わせて 23 回、雇主の命を自分の身を挺して守り抜いた。 命懸けで尽くした 19 年の報酬が、たった 3 万円の退職金だけだった。 絶望しながら家へ帰り、スマホを開くと 63 歳の元雇い主から突然メッセージが届く。 画面に浮かんだ内容を目にした瞬間、俺は完全に動けなくなり、全身が凍りついた……人生逆転|第二の人生4.1萬字5 299 -
完結第7話
病室の鍵を閉めた嫁
初孫が生まれたと聞き、元産婦人科医の佳代は、3か月かけて縫った白い産着を手に病院へ向かった。 これまで息子夫婦には、出産準備や新居費用として700万円以上を援助してきた。 ただ一目、孫の顔を見たかっただけだった。 しかし病室の前で、嫁・美咲は実母に言い放つ。 「お義母さんを入れないで。赤ちゃんには会わせないで」 冷たい鍵の音が響き、佳代は扉の外に取り残された。 さらに中から聞こえてきたのは、孫を人質にして今後も金を引き出し、いずれ佳代の家や通帳まで手に入れようとする会話だった。 だが、嫁たちは知らなかった。 美咲と赤ちゃんを救った手術チーム全員が、かつて佳代が育て上げた教え子だったことを。 廊下で「小野寺先生」と呼ばれた瞬間、病室の空気は一変する。 見下していた義母の正体を知った嫁とその母は、顔面蒼白になる。 その日、佳代は孫を一度だけ抱きしめ、息子夫婦との関係を静かに終わらせる決断をする――。因果応報|祖父母と孫|第二の人生9.6千字5 688 -
完結第5話
重箱を閉じた日
四十八年間、正月のたびに手作りおせちを作り続けてきた和子。 黒豆、数の子、昆布巻き、栗きんとん、紅白なます。三日かけて仕込んだ料理を重箱に詰め、毎年「田中家の正月」を守ってきた。 けれど元旦の朝、家族の箸はほとんど重箱へ伸びなかった。夫は紅白なますだけを食べ、やがて何気なく言う。 「カップ麺ないか?」 その一言で、和子の中に積もっていた四十八年分の疲れと虚しさが静かにあふれ出す。 なぜ誰も食べないおせちを、私は作り続けてきたのか。 なぜ夫は、紅白なますだけにこだわるのか。 嫁の一言、孫との時間、そして家族で遊んだ料理ゲームをきっかけに、和子は初めて自分の本音を口にする。 「私が、それを四十八年やってきたのよ」 これは、誰かのためだけに我慢してきた女性が、“自分の正月”を取り戻すまでの物語。因果応報|第二の人生6.7千字5 704 -
完結第7話
味噌かめの下に眠った七年
1997年、埼玉県川越市の高級住宅街で、不動産資産家の老人・鈴木製造が忽然と姿を消した。 家族は「認知症が悪化し、遠方の介護施設に入った」と説明し、警察も事件性は低いとして失踪処理を行った。 しかし、それから7年後。 川越税務署の職員が、ある不可解な記録に気づく。 失踪宣告を受けたはずの老人名義の固定資産税が、毎年きっちり納付されていたのだ。 しかも支払っていたのは、老人の嫁・両子。 さらに調べると、老人が失踪した後の日付で、不動産の名義変更書類に本人の実印が押されていた。 再捜査に動いた警察がたどり着いたのは、かつて鈴木家の庭に置かれていた不気味な味噌かめ。 その下から掘り起こされたものが、7年間守られてきた嫁の嘘を一瞬で崩していく。 財産、世間体、15年分の恨み。 静かな高級住宅街の塀の内側で、本当は何が起きていたのか――。行方不明|孤獨|第二の人生9.9千字5 174 -
完結第10話
家族だけと言われた元日の逆転
元日の朝、岡崎礼子は三日間かけて作ったおせちを手に、夫とともに息子夫婦のマンションを訪ねた。 息子の好物ばかりを詰めた三段重。 今年も家族で新年を祝えると信じていた。 しかし玄関に出てきた嫁は、冷たい笑みを浮かべて言い放つ。 「あら、今日は家族だけですのよ」 ドアの奥では、嫁の両親が高級料亭のおせちを囲んで笑っていた。 手作りのおせちを嘲笑され、実の息子にも目を逸らされた礼子は、その場で静かに悟る。 自分たちは、もう家族として扱われていないのだと。 だが息子夫婦は知らなかった。 自分たちが暮らす高級マンションの土地も、管理組合の権限も、入居時の保証人も、すべて礼子の力によって支えられていたことを。 車に戻った礼子は、涙を拭い、一本の電話をかける。 その瞬間、息子夫婦の“家族だけ”の生活は、音を立てて崩れ始める――。因果応報|人生逆転|第二の人生1.4萬字5 1198 -
完結第5話
四十九日に追放された妻
夫・光一の四十九日法要が終わったその日、35年間尽くしてきた家で、和子は嫁の美咲から冷たく告げられる。 「この家はもう私たちのものです。荷物を一つだけ持って、今日中に出て行ってください」 線香の香りが残るリビングで、和子が持ち出せたのは、夫の古い腕時計ただ一つだった。 行き場を失った和子は、友人の惣菜屋に身を寄せ、68歳から新しい暮らしを始める。息子には真実を言えないまま、ただ静かに働き続ける日々。 しかし三年後、夫の書斎から一通の古びた封筒が見つかる。 そこに入っていたのは、夫が和子へ残した手紙と、正式な遺言書だった。 「家と預金の半分を、妻・和子に残す」 嫁はなぜ、その存在を隠していたのか。 そして、すべてを知った息子が下した決断とは――。因果応報|第二の人生|親子関係6.9千字5 437 -
完結第8話
用済みと言われた妻
結婚25周年の朝、58歳の芳恵は夫から突然、離婚届を突きつけられた。 「お前はもう用済みだ。出て行ってくれ」 25年間、家事も仕事もこなし、夫と家族のために尽くしてきた芳恵。だが夫は、30歳の若い女性との新生活を夢見て、彼女を無一文で追い出そうとしていた。 泣き叫ぶと思われていた芳恵は、静かに頷く。 「わかりました」 しかし夫は知らなかった。 芳恵が3年前から、すべてを見抜いて準備を進めていたことを。 翌日、家から家具も家電も消えた。光熱費も止まり、弁護士からの通知が届く。 そして1ヶ月後、夫の着信履歴には400件を超える悲鳴が残されていた――。因果応報|夫婦|第二の人生|熟年離婚1.1萬字5 1654 -
完結第6話
68歳、レジで再会した友
5年前、幸子は友人・道代に笑われた。 「まだ働いてるんだね」 「月1万円の積み立てなんて、やってないのと同じじゃない」 年金10万円でスーパーのレジに立つ幸子と、余裕のある老後を語っていた道代。あの日の小さな笑い声は、幸子の胸にずっと残り続けていた。 それから5年後。 68歳になった幸子のレジ前に、道代が突然現れる。手にしていたのは、半額の惣菜と安い食パンだけ。かつて自信に満ちていた彼女の手は、なぜか小さく震えていた。 そして道代が置き忘れたポイントカードの下には、たった一言だけ書かれた紙が挟まっていた。 「相談があります」 5年前に笑った人と、笑われた人。 同じ喫茶店で再び向き合った二人を待っていたのは、思いもよらない老後の現実だった――。人生逆転|第二の人生|金銭問題8.6千字5 1419 -
完結第6話
スイスへ消えた妻
離婚届を突きつけられたその日、藤崎陽子は静かに住民登録を抹消し、スイス行きの片道航空券を握って成田空港に立っていた。 夫・達也は愛人の出産に付き添い、「跡取りが生まれる」と五十嵐家は歓喜に包まれていた。だがその直後、医師が告げた“ある一言”によって、彼らの幸せは一瞬で崩れ落ちる。 長年、嫁として、妻として、会社の実務担当として尽くしてきた陽子。しかし五十嵐家にとって、子を産めない彼女はただの“用済み”だった。 けれど彼らは知らなかった。人生逆転|夫婦|第二の人生8.5千字5 878
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