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三十年目の指輪

三十年目の指輪

小春の記念日ノート 完結 0

結婚30年目の朝、私はいつもより少し早く目を覚ました。 カレンダーに赤く丸をつけたその日は、夫婦にとって大切な記念日。けれど、夫は何も気づかないまま出勤していった。 それでも私は、どこかで期待していた。今日だけは、何かが少しだけ元に戻るかもしれない、と。 しかし夜、帰宅した夫が口にしたのは、記念日の言葉ではなかった。 「もう、夫婦としては続けられないと思う」 30年一緒に暮らした夫には、すでに別の女性がいた。しかも彼は、その日が何の日だったのかさえ覚えていなかった。 泣くことも、責めることもできないまま、私は静かに夫婦の終わりを受け入れていく。 これは、忘れられた記念日から始まった別れと、1人になった女性がもう一度“自分の人生”を取り戻すまでの物語。

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