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切れた数珠の15年

切れた数珠の15年

大原の風鈴 完結 0

15年前、京都・大原の山奥にある小さな尼寺で、若い尼僧・蓮華が遺体となって発見された。 本堂は内側から閂が下ろされた密室。床に争った跡はなく、現場には化学薬品の匂いだけが残されていた。さらに司法解剖で明らかになったのは、蓮華が妊娠5ヶ月だったという衝撃の事実だった。 世間は彼女を「堕落した尼僧」と騒ぎ立てるが、若い巡査・霧谷哲也だけは、葬儀で涙を流すエリート弁護士・黒田道真の姿に違和感を覚える。 しかし道真には完璧なアリバイがあった。東京の高級ホテルで開かれたパーティーに出席していたという、多数の写真と証言。捜査は圧力によって打ち切られ、事件は闇に葬られる。 それから15年後。 解体される自由庵のご本尊の台座から、蓮華が残した写経の束が見つかる。表には経文、裏には肉眼では見えない文字。 そこに刻まれていたのは、彼女が命を奪われる直前に残した、あまりにも悲しい真実だった。 密室の謎、消えた2時間、砕けた数珠玉。 15年越しに、死者の声が法廷へ届く――。

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