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「ただいま」と帰った亡き夫

「ただいま」と帰った亡き夫

雪あかり 完結 1

昭和31年、雪の降る京都北部の小さな町。 佐和子は、夫の隆一、12歳の娘・節子、6歳の息子・正彦と、穏やかな日々を送っていた。だが節子の実父は、11年前に戦死したはずの男だった。 遺骨もなく、写真だけを墓に納め、何年も帰りを待ち続けた佐和子。やがて彼女は、残された親子を支え続けてくれた隆一と再婚し、ようやく「戦争は終わった」と思えるようになっていた。 そんなある雪の日、玄関に見知らぬ男が立っていた。 痩せた頬、古びた外套、白髪の混じった髪。けれど、その目だけは忘れようのない人だった。 「ただいま」 死んだはずの夫・信夫が、11年ぶりに帰ってきた。 帰る場所を信じ続けた男と、死別を受け入れて生き直した女。残された母娘を守ってきた男。そして、写真の中でしか知らなかった父と向き合う娘。 誰も悪くない。誰も裏切っていない。 それでも、11年という歳月は、ひとつの家族を静かに変えてしまっていた――。

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