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息子が私を認知症にした日

息子が私を認知症にした日

雪どけ 完結 78

七十歳の誕生日、息子は親戚十二人の前で私を「認知症」だと決めつけた。 「来月から施設へ入れよう。財産の管理は俺がする」 差し出されたのは施設の申込書と、実印を押すだけの財産管理委任状。けれど私は二週間前、すでに病院で検査を受けていた。 《認知機能に年齢相応以上の低下を認めない》 息子が欲しかったのは私の安全ではない。私名義の駅前の家と、その財産を自分で動かす権利だった。 翌朝、私は司法書士へ連絡し、息子一家に無償で貸していた家の調査を始める。すると、工事をしていないはずの家に《改修費一千二百万円》の完了書類が作られ、会社の借金返済に使う計画が判明した。 さらに見つかった三百万円の借入申込書には、孫の進学費用ではなく、私の家を担保にするための記載があった。 そして、その書類の立会人欄には、最も信じたくなかった家族の名前が書かれていた。

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