下関の唐戸市場近くで刺身屋を営む賢治の店に、ある日、身なりの古い75歳の老婆が現れた。 彼女が注文したのは、20キロものヒラメ。支払いは、真新しい一万円札で12万円。その翌日も、また翌日も、老婆は同じ時間に現れ、大量の魚や肉、惣菜、果物を買い続けた。 つま先の破れた靴、錆びたリアカー、古びた家。だが、彼女の家には不釣り合いな業務用冷蔵庫が2台置かれていた。 食材は毎日どこへ消えているのか。なぜ彼女は新札で大金を払い続けるのか。そして、彼女が口にした「子どもたち」とは一体誰なのか。 犯罪に巻き込まれているのではないかと疑った賢治は、ついに警察へ相談する。 しかし、明らかになった真実は、誰も想像していないものだった――。