みかん小説
本棚
みかん小説 / 時代 / 震災から半年ぶりに帰った家には、知らない家族が住んでいた
震災から半年ぶりに帰った家には、知らない家族が住んでいた

震災から半年ぶりに帰った家には、知らない家族が住んでいた

焼け跡の千代 完結 30

昭和45年、母は20年以上もの間、同じ古い着物を大切に着続けていた。 娘の美紀は、母がただ節約のために我慢しているだけだと思っていた。正月の日も、特別な日も、新しい服を選ばず、何度も繕われた一枚の着物を身につける母の姿を、少し寂しく感じていた。 しかし、母が亡くなった後、その古い着物の中から見つかった小さな刺繍が、美紀の知らなかった母の過去を呼び起こす。 戦後の苦しい時代を生き抜いた一人の女性が、なぜその着物だけを手放さなかったのか。 長い年月の中に隠されていた家族の記憶と、母が守り続けた想いが、少しずつ明らかになっていく――。

今すぐ読む